「しばらく」ののれん。のれんをみてフラッと入ってしまうこともしばしば。
先日、東京にてAll Aboutの旅行系ガイドの集まりがあり、参加した時の一コマ。ラーメンの話の中で博多ラーメンの話題に。そこでどのお店を知ってる? と聞いてみると、TVチャンピオンで優勝した社長が経営している「一風堂」や、会員制だった「一蘭」の名前はほぼ知られていましたが、地元で行列が出来ている「秀ちゃん」、「だるま」、「八ちゃん」、そして「玄瑛」などの名は出てこず。「一風堂」や「一蘭」はチェーン展開しているので有名なのは当たり前なのですが、TVや雑誌などで取り上げられることのある店々は意外なほど認知度が低い。これはちょっとした驚きでした。

で、今回は福岡の超有名スーパースターとなった博多ラーメンのレポート。博多ラーメンと長浜ラーメンって違うの!? なぜ麺はあんなに細いの!? などなど福岡のラーメンの歴史や特徴、違いなどを調査。これを読んで博多ラーメンを食べると、今まで以上に愛すべき一杯になるはず。



とんこつラーメン誕生秘話~偶然の産物が偉大な国民食を生み出した

名島亭のラーメン(450)長浜ラーメンに久留米の手法、呼び戻しで作られたスープはコクがあるのにすっきり。
とんこつラーメンは福岡県久留米市から発祥したメニュー。戦後すぐまでは九州のラーメンは、他の地区と同じように澄んだスープのものだったそうです。そして昭和22年、偶然がいまや全国に多くのファンを虜にしているとんこつラーメンが誕生。その偶然とは...。

久留米のとあるお店で、店主が買い物に行く為に、母親にスープの番を頼んで出かけて帰った来た時、あってはならない光景が眼前に。燃え盛るかまど、白濁してしまったスープ。一度は捨ててしまおうと思ったこのスープに、店主は何を思ったのかタレをいれて一口。するとそれまで味わったことのないコクと滋味深い味となり、その味に驚嘆!! それまでの澄んだスープを捨てて白濁の豚骨スープに変えてしまったとのこと。もし母親にスープの番を頼まなかったら、スープを失敗作として捨ててしまったら、いま私たちが味わっているとんこつスープは世になかったかもしれません。

時代的にも戦後。豚骨からしみ出た滋味深いスープは食糧難の時代には大いに受け、脂っこさや臭みも体に栄養を与えてくれるメニューだったと思います。そうして北部九州を中心に広がりをみせたそうです。

私たちが愛するとんこつラーメンは、そういう偶然から生まれたということです。後世に残る偉大なものって、意外と偶然が生み出すことが多いと思います。そんな偶然に感謝!!



博多ラーメンと長浜ラーメンってどう違うの?

博多ラーメン・しばらくのラーメン。(450)長浜よりも太めの麺。
一般的に福岡のラーメンを博多ラーメンと呼ぶことが多いかと思います。たまに長浜ラーメンと見かけることもあると思いますが、果たしてどう違うのか!? その答えは明確な違いはないようです。強いて言えば長浜ラーメンとお店に書いてあるところには、醤油ダレの入った薄茶色のスープで濃いめ・辛めの味付けのお店が多く、博多ラーメンと書いてあるお店の方はこってりしているけど、後味すっきりというお店が多い気がします。全体的に麺は細めですが、長浜ラーメンは特に細い店が多く、そうめんよりも細い店もあるほどなのです。

これは味が濃厚で滋味深い味が特徴である豚骨ラーメンは、体力を使う肉体労働者に愛され、魚市場で働く人たちにも人気となったそうです。そのため市場のラーメンと呼ばれるようになり、そのうちに魚市場がある長浜の地名を取って長浜ラーメンと呼ばれるようになったということ。セリの間などでも食べられた長浜ラーメン。時間のない魚市場で働く人たちの要望から、すばやく茹で上がる細麺が生まれた訳です。しかし麺が細い上に逆の作用も発生。そう麺がのびてしまうのです。そのため、博多・長浜ラーメンには大盛りがあるお店は皆無と言っていいでしょう。もっと食べたいという要望に応えて、今では当り前になった替玉が誕生した訳です。



博多ラーメンが生んだ偉大なシステム、替玉って!?

替玉発祥の店・元祖長浜屋のラーメン(450)病みつきになる人も多くいるほど。
新横浜ラーメン博物館の調査によると福岡市の麺の量は平均110グラム程(全国平均:約200グラム)と全国平均と比べて少ないとのこと。そこで物足りない人たちのために生まれたのが替玉。なんとも便利なシステムではないでしょうか!

ガイドが学生の頃よく通っていた、替玉発祥の店・元祖長浜屋は当時ラーメン一杯250円(消費税が導入される前)で替玉は50円(替玉は今でも50円のまま! なんと嬉しいことか!!)。つまり400円でラーメン4杯分を食べれるのです。食べ盛りの学生時代にはなんと重宝するシステムか。東京に行ってとんこつラーメンがないのは仕方ないですが、「何で替玉なかと!?」と思ったのを思い出しました。

元祖長浜屋の本店。本店は昔ながらのオーダーが店内に響いています。「カタいっぱ~い」って。
そこで、麺だけを何回もおかわりするとスープが足りなくなるんでは? と思われたあなた、心配無用です。ほとんどのお店にはラーメンダレが容器に入っておいてあります。そのラーメンダレを器に足せば、自分好みの濃さに調整出来るうえ、替玉をしてもスープの味をキープすることが可能なのです。替玉には湯きりしてあっても多少の水分が残っていますので、水分確保もある程度問題なし。食べたいだけ食べれるのです。なんとも博多商人の心意気を感じるものです。

さて長浜ラーメンの味が濃い理由は、替玉をした二杯目が美味しく食べられる程度を考えてという説もあるくらい、一杯目は濃すぎるかもしれません。それに対し博多ラーメンは商人の町である博多に合わせ、一杯目が美味しいラーメンで、替玉がない店もあったとの説もあるくらい。

地元の人間の意見としては、博多ラーメンは色々ととんこつラーメンに工夫を凝らしながら美味しいと言われる一杯を造りだしているラーメンであり、長浜ラーメンは昔ながらの伝統を守りつつも、味の工夫を怠らない姿勢が感じられる一杯という印象ではないでしょうか! ここに博多と長浜のちょっとした違いがでているのかもしれません。





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