Flash Liteの画面サイズ
PC向けのWebサイトを作成する際は、企業サイトなら「800*600pxのモニタを想定」とか「1024*768px以内」といったレギュレーションが用意されていることが多いと思います。しかし、携帯の画面解像度は小さいものから大きいものまで膨大なケースが想定されます。これは最早固定するのは不可能と考えていいでしょう。そこでどうするのか?ヒントは「Flashは伸縮自在なベクター画像中心である」という点と「携帯の画面は画像の劣化を誤魔化してくれる」という2点です。携帯電話の画面は、だいたい縦に長く横に短い縦位置ですよね。正方形に近い物もありますが、基本的に縦に長い長方形です。このアスペクト比を元に縦横の比率を決め適当なサイズの携帯Flashコンテンツを作成します。これを「インタラクティブモード(後述)」で表示します。すると自動でアスペクト比を崩さずに画面いっぱいのサイズで表示してくれるという仕様があります。そもそもFlashはベクター画像を使用して、伸び縮みしても画質が劣化しないものですから品質に問題はありません。
また、ビットマップ画像を使用する場合ですが、意外になんとかなるものです。と言うのも、携帯の画面は解像度が上がっても実際の液晶のサイズはほとんど変化しないからです。あまり「15インチ液晶搭載マルチメディア携帯」なんて欲しくないですし…とにかくビットマップ画像の画質は引き伸ばしに影響されにくいと言えます。この点を考えると、解像度が低い画像を引き伸ばしてFlashに配置するなどが有効なテクニックになってきますね。
これらの条件から前述の機種対応表を見て私が検討するなら、Flash Lite1.0なら「210*210px」の正方形、Flash Lite1.1なら「240*252px」の縦長、Flash Lite2.0なら「240*320px」の縦長サイズ、Flash Lite3.0、3.1なら「480*640px」の大解像度といったあたりが落ち着くのではないでしょうか?
ところで、最近Flash Liteコンテンツを開発しつつ気付いたのですが、携帯電話の画面にパソコンでは見るも無残な程劣化したJPEG画像を表示するとビックリする程キレイに見えませんか?液晶がサイズの割にはあまりにも高解像度だという点もありますし、もしかしたら携帯メーカー独自の高画質エンジンの仕業なのかもしれませんが、魔法をかけたようにJPEG独特の劣化がどの携帯でもキレイに見えます。もし容量制限の壁と闘っている方がいましたら、思い切ってJPEG画像の画質を落としてみてはどうでしょう。
再生方法は「インライン」「インタラクティブ」「待ち受け」の3タイプ
PC向けのWebサイトでは通常HTML内に「<object></object>」タグを記述し、Flashを貼り付けてブラウザ上で再生します。このように携帯向けのHTML上に貼り付けてFlashを再生することを「インラインモード」と呼びます。このモードではサイズは伸縮せず、機種依存を回避するには振り分けを行う必要が発生します。それに対して、ブラウザで直接SWFを再生することを「インタラクティブモード」と呼びます。携帯向けのHTMLを介さず、携帯のブラウザいっぱいにFlashを表示することが出来ます。この場合、Flashのアスペクト比を保ったまま、左右・上下のどちらかが画面に最大サイズになるまで引き延ばし表示します。このモードなら機種依存の影響も受けにくい点はメリットですが、ページの全てをFlashで作成しなければいけない点が問題となる場合もあるかもしれません。また、機種によってはバイブレーション等を操作するコマンドはこのモードでなければ動作しません。
また、携帯電話の待ち受け画面にFlashを設定することも可能です。携帯電話独自のこの機能は、携帯をデコレーションしたい若いユーザに圧倒的に支持されています。携帯で「Flash」という言葉を知ったという人すらいる程です。ずっとFlashを再生されては電池はすぐに使いきってしまいますから、折りたたみ式の携帯なら蓋を開ける等の動作をした際に一回再生されると再生は停止されるような仕様となっています。
この他、ドコモの最新のFlash Lite3.x端末ではメールにデコメールのように挿入出来たり、着信時やセンター問い合わせ時に表示することが出来たりと様々なシーンでFlash Liteを利用出来るようになりました。
次のページではFlash Liteのアクセシビリティとユーザビリティについてご紹介します。