名古屋の観光・旅行/名古屋 自腹メシ

名古屋自腹メシ 第5回~「杉むら」

自腹メシシリーズ第5弾は「貝と地酒の店 杉むら」。旬の貝は燻製や刺し身、干物、炙りなどで変化に富んだ滋味・珍味を食べ比べできる。明るい女将さんの名古屋弁トークも杯を進ませる酒の肴(!?)。

大竹 敏之

執筆者:大竹 敏之

名古屋ガイド

貝の滋味をスモークで包んだ燻製が絶品

店内
素朴な雰囲気で、繁華街の一画ながら穴場のムードもあり
財布の中身と相談しながら細々と続けている(涙)シリーズ企画「こちとら自腹だがね! 名古屋・ホントにうまい夜メシ屋」、通称「名古屋自腹メシ」。第5回は栄の「杉むら」へ行ってきました。一年を通して貝がうまい店として知られる居酒屋です。



場所は中日ビルの裏手。ちょっと古びたビルの2階なので、見逃さないように注意してください。木の扉の横に貝がらを並べた入口は浜小屋風。店内はカウンターに小上がりが3卓。着物に割烹着の女将が酌してくれる小料理屋然とした雰囲気です。

お通し
この日のお通しはさやいんげんとツブ貝
さて、この店の自慢は貝。カウンターのガラスケースには様々な姿形の貝が並び、鴨居の下には干物もぶら下げられています。
お通しもやっぱり貝。この日はさやいんげんの酢味噌和えとともに、ツブ貝が出てきました。ちょっと濃い目の味つけで煮付けてあり、ワタが切れないように楊枝で慎重に引っ張り出しながら、最初の一品が出てくるのを待ちます。


燻製
燻製の盛り合わせ。人数や好みによって量や組み合わせは相談できる
筆者がいつも最初に注文するのが燻製。貝をはじめ、毎日いろんな食材をスモークしていて、これが酒のアテに最高なのです。「今日は何があります?」と水を向けると、「いろいろあるわよ~」と女将さん。「お一人だから一切れずつ盛りましょうか」とは、1人客にはうれしい心遣いです。長皿にきれいに並べられて出てきたのは、コハダ、ホヤ、コブクロ、マグロ、アオヤギ、チーズ、ホタテ。素材の風味やみずみずしさを損なわないよう、燻煙は控えめ。スモークのほのかな香ばしさが素材をコーティングし、その中からそれぞれの持つうまみ、滋味がじんわりと舌の上で広がります。


女将さんとお姉ちゃん
おしゃべり大好きな女将の川上加代子さんとアルバイトののりちゃん
この日は夜8時頃店に入ったところ、ほぼ満席。40~50代のなじみのビジネスマンが大半を占めていました。女将さんは明るくにぎやかに、それぞれの席に満遍なく話しかけてくれるので、常連の中に1人混じっても肩身が狭く感じることはありません。「コブクロはね、アッチに利くのよ~」なんて下ネタが過ぎるのがタマにキズ‥いやいや、これもお楽しみのひとつです(笑)。


次のページでも名物の一品が次々と‥‥!
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