名古屋グルメに欠かせない岡崎八丁味噌
家康公もこよなく愛した健康食
名古屋文化の源流は岡崎生まれの家康にあり |
赤味噌とは京都の白味噌に対する言葉で、まさしく見た目が赤っぽい(というか茶褐色)味噌のこと。もうひとつ、味噌には原料による分類があり、米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌があります。豆味噌は赤味噌の代表的な種類であり、生産が東海地方にほぼ限られている独特の調味料です。
「まるや」の正面から「カクキュー」の裏手へ続く八丁蔵通り。NHKの連続テレビ小説「純情きらり」のロケ地としても使われた |
そして、岡崎八丁味噌の伝統を江戸時代から守り続けているのが「カクキュー」と「まるや」の2大ブランドです。いずれも、天然素材や木樽を使った昔ながらの製法、二冬二夏という長い熟成期間にこだわり、文字通り手間と暇をかけた味噌作りに取り組んでいます。
ガイドの解説も楽しい「カクキュー」の工場見学
大正末期築のカクキュー本社 |
まず「カクキュー」。『久』のトレードマークもまぶしい大正期築のレトロな洋館が目を引きます。見学は毎日ほぼ30分に1回のペースで行われ、予約なし・1名でも参加ができます。
史料館・八丁味噌の郷では人形達が昔の仕込み風景をリアルに再現 |
「白味噌と赤味噌の違いは大豆の調理法。大豆を煮て作ると白味噌に、蒸して作ると赤味噌になるんです」
長期熟成でうまみとコクを出す |
「木樽の中には味噌6t分が仕込まれ、30万人分の味噌汁を作ることができます」
「樽の上に重しとして積み上げられている石の重量は3t。石は江戸時代に河原で拾ってきたものを今も使っています。ピラミッド同様の揺れに強い積み上げ方で、地震で落ちたことはこれまで1度もないんですよ」
と様々なウンチクを聞かせてくれるガイドさんの語りも軽妙。約30分の見学の間中、八丁味噌ワールドへと引き込んでくれます。
味噌汁を飲み比べでき、味噌田楽を味わえる試食コーナー |
八丁味噌と赤だし2種類の味噌で作った味噌汁の飲み比べ、そして味噌たっぷりの田楽こんにゃくをいただけます。飲み比べしてみると、八丁味噌の方が渋みの奥に濃いうまみが秘められていることがあらためて分かります。
おみやげコーナーも充実。定番の味噌商品の他、八丁味噌カレー、八丁味噌ハヤシ、八丁味噌プリン、八丁味噌ラガー(発泡酒)などまさしく味噌づくし。あれもこれもと買い込めば、八丁味噌のフルコースが楽しめそうです。
隣には飲食コーナー「味噌処 休右衛門」も併設され、田楽定食や味噌煮込みうどん、八丁味噌ソフトクリームなどがその場で味わえます。筆者はここで八丁味噌カレー600円をいただきましたが、味噌の風味は言われなければ気づかないほど控えめで、思いの外まろやかで親しみやすい味でした。
■ 八丁味噌カクキュー ※正式社名は合資会社八丁味噌
・ 住所:愛知県岡崎市八帖町往還通69
・ TEL:0564・21・1355
・ アクセス:名鉄岡崎公園前駅から徒歩5分,東岡崎駅からタクシーで10分、東名高速豊田東ICもしくは岡崎ICから車で約15分
・ 時間:売店営業8時30分~18時、工場見学受付9時~17時
・ Yahoo地図情報
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