カラフルヘアにド派手なハッピで大盛り上がり!
愛知県は山車(だし※)の宝庫。関西では山車を「だんじり」と呼び、ケガ人が出るほど激しく曳き回すことで有名ですが、数では圧倒的に東海地方が多いんです。中でも名古屋の南に伸びる知多半島は、およそ100台の山車が現存する全国屈指のメッカ。そして、3~5月にかけて、勇壮な山車が町をねり歩く春の祭礼が、この地方のあちこで行われます。そんな中、私の故郷である常滑市(中部国際空港セントレアのある街です)のお祭りが、ひそかにトンデモないことになってるんです。
オリジナルのハッピやカラフルなヘアスタイルの若者たちが祭りを盛り上げる。 |
同地区は6つの字(あざ=昔の地域区分)に分かれ、祭礼の時には各字の6台の山車が、市内の中心部を練り歩きます。6台の山車は主に大正・明治期に創建されたもの。細微な彫刻に覆われ、桃太郎などの精巧なからくり人形が乗っているものもあります。
この絢爛にして勇壮な山車が曳き回される様は、まさしく由緒ある祭礼ならではのシーンです。ところが、近づいていってみると何やら「伝統」とは相容れないような景色が目に飛び込んできます。
地域のマークを刈り込んだ気合入りまくりのお祭りモヒカンカット。 |
と言うのも、お祭りを盛り上げている若者たちの出で立ちが、何じゃこりゃ~!?とのけぞるほどにド派手! 暴走族の特攻服か竹の子族のコスチュームかと(例えが古くてスミマセン)見まがうような赤や紫のダボシャツ、竜や虎などの刺繍をほどこしたハッピ。何を隠そう私、この地区の出身なんですが、私が子供の頃はこんな衣装はありませんでした。
ヘアスタイルも金髪茶髪をおっ立てるくらいは当たり前。カッパちゃんヘアやモヒカン、地区のマークを刈り込んだ若者もいます。ファッションのセンスと言い、熱狂的な盛り上がりぶりと言い、まるで優勝目前の甲子園の阪神ファン、そんなノリなんです。
※ 山車=祭礼の時に曳いて練り歩く車輪付きの屋台。「やま」「ほこ」「だんじり」とも呼ぶ。
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