旅の印象を大きく左右する宿泊先
「宿泊先は程よい距離感を保てるところを」 |
まずは部屋割。「せっかく旅行に行くのだから、一緒に過ごせるように」と2室がコネクティングルームになったホテルや大きめの一部屋を選択される方もたまにいらっしゃいます。
しかし、たとえ仕切りがあったり、部屋が広かったとしても、一つの空間で3世代が一緒に過ごすのはトラブルの元。
いくら部屋が広くてもトイレや洗面所が一つでは、使いたいときに使えず不満が出るのは目に見えています。また、子供の泣き声や女性の着替えに気を使ったりしなければならないという不便さも。
さらに、消灯時間など生活リズムが違うことも考えると、同じ部屋で過ごすのはストレスがたまります。
日常生活に介助が必要であるなど特殊な場合を除き、同室は避け、同じフロア、出来れば隣あっている別室をとるのが基本です。
部屋番号を教え合い、部屋間の電話の掛け方を確認して、食事やお風呂の際に声を掛け合うようにすれば「放っておかれた」という不満も出ないでしょう。
また、食事については旅館の場合、「乳児がいるので、寝かせられるスペースが必要」あるいは「(祖父母世代の)歩行が困難で、動くのが大変」などの特別な理由がない限り、部屋食よりもバイキングがあるところがお勧めです。たいていの旅館の食事は量が多く、お年寄りにはボリュームがありすぎるもの。バイキングで「好きなものだけを自分のペースで好きなように」食べられる方が歓迎されます。また、周りと隔絶した部屋食の静かな空間で、話題を盛り上げつつ楽しい食事の雰囲気を演出するのは、嫁にとってはかなり気疲れするはず。適度にざわざわしているオープンなレストランの空間で、料理を運ぶために時折席を立ったりできるバイキング形式の方が、たとえ会話がはずまなくても居心地の悪さを感じずにすみます。
あまり密着しすぎず、つかず離れずの上手な間合いをとること。これが宿泊先でお互いが心地よく過ごすコツです。