ある美人妻の証言
知人に、素敵な奥さんがいます。女性誌から抜け出たような美しいプロポーションと、陶器のような輝く肌のワーキング主婦です。結婚していなければ、まわりの男性が群がるであろうセクシーさも兼ね備えています。ときおり見せる寂しそうな表情に、私は彼女に鬱を感じ取りました。彼女はきっと昔の男に、強烈に縛られているのでは?話を聞きに行きました。
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■主婦S子さん(32歳)の証言
たしかに、今の結婚は幸せなようだけど、ときどきすっごく寂しくなります。
無性に逃げ出したくなったり、お酒飲んで泣いちゃったり。だんな様が悪いわけではないけど、自分が世界で一番寂しい女って思う時があります。
昔の彼とのセックスを、しょっちゅう思い出して会いたくなったりね。これ、鬱?
忘れられなくて大変だった人といえば、あいつでしょう、という人がいます。
会社の同期だったんですけどね、ルックスも良くて、スポーツはできるし、社会人一年生のくせにスーツは全部ブランド物で、RV車乗り回してて、地方のお金持ちの跡取り息子で、いかにも遊び人、いままで苦労したことないでしょ?って見ればわかるような人。
私の恋愛対象にはなりにくいタイプ。 だって、自分だけを愛してくれるだなんて絶対思えませんでした!
それに、私は大体、まず相手が自分のことを恋愛対象として意識しているのを感じとって、そこから自分が相手を意識しはじめて、気がつくと自分も惹かれてしまうというパターンが多いんです。(したがって恋愛の成就率は極めて高い)
彼のように自分から誰かを好きにならなくても向こうからいくらでも来るような人(実際、同期だけで3人もの女性が彼を真剣に好きだったんです)が、私を恋愛対象として意識するなんてことは有り得ないと思っていたから、私も彼とどうこうなんてことは全然考えてなかったわけです。
それが、いつのまにか何となく、彼が私にアプローチをかけてくるようになって。
何が原因だったのかは未だにわからないけど、もしかしたら、同期の女性の中で、何故か私が一番仕事が出来るという評価をもらっていたり、会社の男性先輩達が、付き合うならあの子がいいって噂をしてくれていたりして、たぶん、プライドの高い彼的には、私を惚れさせたいっていうのがあったんじゃないかな、最初は。