鉄道/駅、鉄道グッズ

雪国本線終着駅?歌う鉄道ザ・ベストテン!(2ページ目)

歌に登場する鉄道、意外にたくさんあるんです。今回はちょっと趣向を変えて、歌のタイトルと鉄道について考察(?)してみました。

執筆者:高橋 良算

空想鉄道ベストテン!

さて、ここまでは実在する鉄道に関係する歌のタイトルについてざっと見てきましたが、数としては架空のものが大多数をしめます。冒頭にも書いたように、基本的に歌においての鉄道は「人生」「運命」といったもものメタファとして利用されるものなわけで、まあそれも当然です。

架空の(具体的でない)鉄道タイトルのうち「これは!」と思ったものをガイドが独断と偏見で選び、順位を付けてカウントダウン形式でご紹介してみようという試み。あくまでも曲のタイトルがおもな判断基準です。

ただ、このサイトは「鉄道旅行」なので、並べるだけではなく、実際の鉄道ならどこのことを歌っているのか、考えてみました(こじつけ、とも言います)。そもそも歌を解説するなんて無粋なことはしたくないのですが、如何せん、歌詞というのは自由に掲載できないものなので、お許しください。

なお、正直なところ興味のない方にとってはつまらないテーマかもしれません。10曲選んでみましたがちょっと長いので、詳述するのは5曲+1曲としました。その点も、どうかお許しください……

第10位:『夜明けの停車場』(石橋正次)
第9位:『海峡本線』(山川豊)
第8位:『雪国本線』(大川栄策)
第7位:『真夜中の貨物列車』(スガシカオ)
第6位:『みちのく本線』(麻生詩織)

もうすぐベストテン:『赤い電車』(くるり)

実はこの「赤い電車」というのは架空のものではなく、京浜急行の電車のこと。これを歌っている「くるり」の岸田繁さんは筋金入りのテツ=鉄道ファンなのです。京急の一部車両では「ドレミファインバータ」などとファンの間で呼ばれる特徴的なモータの駆動音がするのですが、さすがにテツらしく、そのことが巧みに歌詞に織り込まれています。

直接「京浜急行」とは言っていないものの架空の鉄道を歌ったものではないので、もうすぐベストテン入り扱いとしました。

第5位:『哀愁本線』(花咲ゆき美)

はくつる
青森発の夜行列車は歌に雰囲気を残すばかり(廃止になった寝台特急はくつる)
この曲がデビュー曲という花咲ゆき美さんはなんとまだ20代、演歌界の超若手らしい。ネットで検索した限りではこの曲の歌詞がわからなかったのですが、恋人と別れた主人公が、青森からひとり夜汽車に乗って都会へ旅立つ心情を歌ったものらしく。哀愁本線とはいかにも演歌らしいタイトルで、想像力をかきたてられます。

青森始発の夜行列車といえば、急行「津軽」「八甲田」、寝台特急「はくつる」「ゆうづる」など、つい最近までたくさんありましたが、今では羽越本線回りの寝台特急「あけぼの」が残るのみ。次第に過去のものになりつつあるのは否めませんが、こうしてその雰囲気は歌に残っていくのですね。

なお「本線」というのは、鉄道路線の「幹」となる線で、本線から分岐する「枝」は「本」が付かないただの「線」となります。例えば「東海道本線」は、山手線、鶴見線、横浜線、根岸線、相模線……など多くの枝線を持っている、という具合。

第4位:『ホームタウン急行(エクスプレス)』(サーカス)

昭和50年代に放送された「鉄道公安官」というテレビドラマのエンディングテーマとして使用されていた曲。

歌詞は、都会で暮らす主人公が、本当の愛はホームタウン=故郷にあったと気付き、幸せになるために列車で帰って行く、という内容。ホームタウン、といっても人それぞれですから限定はできませんが、それだけに、誰の心にも届く歌なのでしょうね。

私のホームタウンは小田急線沿線の町田というところ。小田急線にはホームタウン急行ならぬその名も「特急ホームウェイ」が走っていますが、近距離ですし、残念ながらそれほどの旅情はありません。

第3位:『終着駅は始発駅』(北島三郎)

江差駅
終着駅という響きは人々の胸に様々な想いを抱かせる(江差線・江差駅)
大御所サブちゃんの曲ですが、これも私は聞いたことがありません。歌詞には青函連絡船が登場し、青森から函館へやってきた船が再び青森へと出港する、すなわち終わりは始まりであって、人生まだまだやり直せるのだ、ということを歌っているようです。そういえば、宮脇俊三氏の著作に同名のものがありますが、この歌からとったのでしょうか?

北島三郎さんといえば、北海道函館近郊の知内町出身。近くを江差線が走っています。江差線は木古内駅から西に向きを変え、日本海側の江差駅を目指すローカル線。終着駅の江差では、ほとんどの列車が数分~数十分で折返して行きます。終着駅は始発駅。うまいことを言うもんです。

第2位:『風花の駅』(坂本冬美)

美しいタイトルですね。風花(かざはな)というのは、どこからともなく舞ってくる小雪のことで、雪国で風花が舞うといよいよ本格的な冬が近い証拠です。歌は、そんな寒い冬を予感させる風花が舞う駅と、これから一人で生きなくてはならない女性の心の寒さを対比させている、というところでしょうか。

風花というと、上州地方を連想します。鉄道でいえば、上越線の渋川~水上あたりの景色ですね。三国山脈を越えて吹きおろす「からっ風」にのって風花が舞う様子はいかにも寒いのです。けれども、冬が来れば、その後には必ず春が来るわけです。まあ、私は冬が好きなので……。

第1位:『哀しみ本線日本海』(森昌子)

余部鉄橋
演歌はやっぱり冬の日本海(山陰本線・餘部駅付近)
これはもう、文句なしの1位です。何を隠そう、今記事の企画を思いついたのも、この曲のタイトルが発端でして。日本海、冬、哀しみ、雪……と、演歌に必須の要素がこれでもかと盛り込まれています。

傷心の女性が一人、名前も知らない北の町で、冷たい海を眺めながら哀しみにくれているらしい様子が、寂しい曲調にのせて歌われる。で、そのサビの一番盛り上がる最後のところに唐突に出てくるのがタイトルにもなっている「哀しみ本線日本海」。

もちろん「哀しみ本線」なんて、ありません。だいたい、接続駅で「哀しみ本線をご利用の方はお乗り換えです」なんて言われたら、ちょっと乗り換えづらいじゃないですか。

日本海といっても北海道から九州に至るまでの広い海です。しかし歌詞から類推するに、やはり東北地方以北でしょう。だすると、羽越本線が有力ですね。たしかに羽越本線の冬の車窓からは、荒々しい日本海の姿を見ることができます。地形や気象条件が厳しいところほど、人間の感性に訴えかけるものが強くなるのは確かです。




どうも演歌が多くなってしまいましたが(特に演歌ファンというわけでもないのです)、まだまだ名曲はたくさんあるに違いありません。

音楽を聴きながら旅をする方も多いことでしょう。タイトルや歌詞に鉄道が出てこなくても、ある曲を聴くと思い出す車窓、風景、というのが皆さんにもきっとあるはず。

今度の旅は、音楽とともに出かけてみませんか。
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