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沼津~黒磯290キロ、グリーン車だけの旅(6ページ目)

首都圏を走る普通列車グリーン車。一定の条件を満たせば一枚のグリーン券でどこまでも行けるのです。その中で最長になると思われる静岡県の沼津から栃木県の黒磯まで、グリーン車だけを乗り継いだ旅の顛末。

執筆者:高橋 良算

第五列車:小金井 14:50 → 16:13 黒磯583M・2階建てグリーン車・サロE231-1035

宇都宮駅
宇都宮駅で小休止、いよいよ最後の区間に突入
いよいよこのグリーン車乗り継ぎの旅も最後の列車である。この列車は上野発の系統で、グリーン車は湘南新宿ライン系統よりもさらに空いており、座席は選び放題になっている。

鬱陶しく新幹線の高架がまとわりつく風景の中を20分ほど走ると宇都宮。さすがに大きな駅だ。ここで11分停車してから黒磯へ向けて発車する。

宇都宮~黒磯間には、グリーン車付きの列車が1日4往復しか走らない。しかもそのうちの3往復は早朝か夜間であるので、明るいうちに乗るとなるとこの列車しかないのである。だから今回の旅にとってはこの上なく貴重な列車なのだ。

グリーン車
終着の黒磯はもうすぐ
宇都宮を発車するとすぐにグリーンアテンダントがやってきた。考えてみれば、今日はここまで5本のグリーン車を乗り継いできて、グリーンアテンダントは4人目である。そう考えるとにわかに親近感がわき、飲み物を買ったついでに、普段は買わない車内限定グッズまで買う。客も少なく手持ち無沙汰なのか、使い方を丁寧に説明してくれた。

あたりはもうすっかり田舎の風景に変わった。片岡、矢板、野崎と、素朴な木造駅舎のある駅に一つずつ停まり、少しずつ乗客を降ろす。片岡駅付近で、在来線、新幹線、高速道路、国道が集結し、また離れていく。この先何度も離合を繰り返しながら北へ向かう重要な交通路たちである。少しずつ「みちのく」を予感させる気配がしてくる。

黒磯駅
290キロのグリーン車乗り継ぎを完遂!
関東平野の終わりが近付くとともに、この旅も終わり、終着の黒磯に到着した。

中途半端な感じがする場所だけれど、普通列車のグリーン車が走るのはここまでなので、グリーン車乗り継ぎの旅も当然ここで打ち止めとなるのである。

沼津を出発してから7時間13分。さすがはグリーン車、これだけ乗っても疲労感はほとんどない。眠気もすっかり覚めた。


とにかくこれで無事目的は達成したし、黒磯に用事があってきたわけではないから、22分後に折り返す同じ車両であっさり引き返すことにする。

帰りももちろん、グリーン車で……



[関連ガイド記事]
これで完璧!JR普通列車グリーン車の基本
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