鉄道/おすすめ鉄道旅行

沼津~黒磯290キロ、グリーン車だけの旅(4ページ目)

首都圏を走る普通列車グリーン車。一定の条件を満たせば一枚のグリーン券でどこまでも行けるのです。その中で最長になると思われる静岡県の沼津から栃木県の黒磯まで、グリーン車だけを乗り継いだ旅の顛末。

執筆者:高橋 良算

第三列車:小田原 10:51 → 11:34 大船828M・2階建グリーン車・サロ212-115

小田原駅
普通列車2階建グリーン車の礎となった車両
ちょっと専門的(?)な話で恐縮だが、次に乗るのは211系という車両の二階建てグリーン車である。

実際に乗ったのは「サロ212-115」で、これは2006年3月に引退した「湘南電車」(113系)に組み込まれていた二階建てグリーン車(サロ124)を改造し転用したもの。どの列車にどの種類の車両が充てられるかは、インターネットで調べればだいたいわかる。もちろん公式発表されているわけではなく、鉄道ファンたちが調べた情報なのだからすごい。

ともかく、20年ほど前に登場した、普通列車用二階建てグリーン車の草分け的存在に乗り込み小田原を出発する。シートのへたれ具合や車内の装飾など、いかにも使い込まれた感じのする車両で、これはこれで嫌いではない。

小田原からしばらくの間は、目を凝らせば、遠く松林の向こうにまだ相模灘がちらちらと見える。もちろん2階席ならの話だが。

駅弁
グリーン車で駅弁を開く。つかの間の贅沢
これから先は乗客も次第に増えてくるだろうから、ゆとりのある今のうちに駅弁の包みを開く。売店のおばさんが言った通り、ご飯の量がかなり多く満腹になった。少食な人なら残してしまうかもしれない。

湘南平を一望する夜景スポットとして知られる高麗山が後ろに去ると、平塚に停車。あとから来た特別快速をやり過ごしてから発車する。このあたりからはもう家やマンションがすき間なく車窓を埋めつくしている。

大船駅で危機一髪

大船駅
様々な列車が行き交う大船駅には案内板が
大船では、横須賀線方面からやってくる湘南新宿ラインの列車に3分の接続で乗り換える予定だった。ところがてっきり同じホームで乗り換えられるとばかり思い込んでいて、間違いに気付いた時には2つ向こうのホームからその列車が発車してしまった。

あわてて時刻表を見直すと、12:08発の小金井行でも十分リカバリが可能であることがわかりホッとするが、一歩間違えば、この企画の意味自体がなくなってしまうところであった。

おかげで少し時間ができたので、東海道線を見下ろすように鎮座する観音様のお顔をゆっくり拝んでおく。

大船駅には東海道線、湘南新宿ライン、横須賀線、根岸線の各線が乗り入れている。根岸線は別としても、行先も停車駅も違う列車が次々に発着し、初めて訪れた者にはなかなかにわかりにくい。そのためか、改札口付近には、列車ごとの停車駅を示す大きな案内標示板が設置してある。もっと多数の路線が乗り入れる新宿駅でも見たことがないようなものであった。


次のグリーン車へ乗り継ぐにはこちら>>
  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます