京急電鉄の「みさきまぐろきっぷ」とは?

みさきまぐろ駅の駅名標

みさきまぐろ駅の駅名標

京急電鉄の企画乗車券「みさきまぐろきっぷ」が人気だ。京急本線の終点・三崎口駅までの往復の乗車券、現地でのバス乗車券、まぐろ料理食事券、おみやげor施設利用券セットで品川発着の場合3570円。このきっぷを利用しないで同様のことを楽しむと軽く5000円以上かかってしまうので、コスパに優れた充実の企画乗車券と言える。どんな日帰り旅行が可能なのか? 実際に体験してみた。
 

みさきまぐろきっぷの買い方

※注意事項:新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当面の間は始発から9:59までと13:00からの限定発売となっています。

「みさきまぐろきっぷ」は当日券のみで、事前に予約することはできない。販売しているのは、泉岳寺駅と三崎口駅をのぞいた京急の各駅。主な駅では、品川駅、京急蒲田駅、京急川崎駅で買うと3570円、横浜駅からは3480円、上大岡駅、金沢文庫駅からは3360円という具合に三崎口への距離に応じて値段は異なる。
品川駅にある専用の券売機

品川駅にある専用の券売機

みさきまぐろきっぷは、駅の窓口や券売機どちらでも発券できる。品川駅の場合、JR各線でやってきて、京急線への乗換改札に切符売場があるので、品川駅までのJR線の乗車券やICカードを提示して購入する。みさきまぐろきっぷなど京急の企画乗車券専用の券売機も用意されている。ただし、この券売機は現金しか使えない。SuicaやPASMOなどのICカードを利用するなら、一般の券売機を使うことになる。
みさきまぐろきっぷはA、B、Cの3枚

みさきまぐろきっぷはA、B、Cの3枚

みさきまぐろきっぷは、3枚のきっぷで構成されている。

A券=三崎口駅までの京急線往復乗車券、エリア内の京急バスフリー乗車券
電車に関しては、途中下車ができる。ただし、下車した駅から戻ることはできない。降りたら、先へ進むのみである。旅の最後まで使うので、とくに往路下車駅(三浦海岸駅、三崎口駅など)で自動改札機に投入したあと、取り忘れないよう注意したい。

B券=まぐろまんぷく券
32のお店から1つ選んで食事ができる。

C券=三浦・三崎おもひで券
以下のうちから1つ選べる

1. 乗り物利用券
観光船、レンタサイクル、屋根のないオープントップバス利用券、城ケ島渡船利用券

2. 施設利用券
日帰り入浴、油壺マリンパーク、ソレイユの丘遊具チケット(三浦ガラス工芸館Kirariは、2020年9月末で閉館)

3. お土産券
加盟店の中から一つ選べる。まぐろ加工品、ジャム、手ぬぐい、釜揚げしらすパック、など
みさきまぐろきっぷの冊子

お店の案内や施設の紹介などが描かれた冊子は京急の駅で貰っておこう

なお、西武線沿線から出発する「西武線発 みさきまぐろきっぷ」もある。この場合は、京急の出発駅は品川駅のみだ。詳しくは、西武鉄道公式ホームページへ。

また、2021年4月1日には新たに「京王線発 みさきまぐろきっぷ」が加わった。詳しくは、リリースを参照のこと。
 

まずは京急線で三浦海岸駅、三崎口駅へ

京急の快特三崎口行き

京急の快特三崎口行き

「みさきまぐろきっぷ」を購入した駅から京急線に乗って目的地へ。快特、特急、各駅停車何でも構わないけれど、三浦海岸駅や三崎口駅へ乗り換えなしに行けるのは、快特と特急のみ。朝のラッシュ時間帯を過ぎれば、直通電車は快特のみになる。
クロスシートの2100形快特

クロスシートの2100形快特

快特は昼間は10分毎の運転で、都営浅草線からの直通電車と泉岳寺駅始発の電車が交互に出ている。このうち、泉岳寺始発の快特は、ほぼ2ドアのクロスシート車2100形での運転だ。
クロスシートが並ぶ2100形車内

クロスシートが並ぶ2100形車内

旅行気分を味わいたいのなら、泉岳寺始発の快特がおススメだ。特急料金不要の優等列車としては関東ではもっともグレードの高い車両である。リクライニングシートではないし、テーブルもトイレもコンセントもないけれど、品川駅から1時間少々のミニトリップを楽しみたい。

座席は進行方向を向いたままで、終点に到着し、乗客を降ろした後、ドアを閉めてから車掌が専用のスイッチで自動的に向きを変える。乗客が勝手に向きを変えて4人向かい合わせにすることはできない。無理に向きを変えようとして座席を壊さないように気をつけよう。

先頭車の運転台すぐ後ろの4席は、前面展望が楽しめる特等席。どうしてもこの席を確保したければ、早めに泉岳寺駅や三崎口駅で並ぶことだ。
運転台のすぐ後ろ4席は特等展望席だ

運転台のすぐ後ろ4席は特等展望席だ

京急の快特は、首都圏の私鉄では珍しく俊足振りで知られる。かつてに比べて停車駅がずいぶん増えてしまったけれど、京急川崎駅と横浜の間や、上大岡駅から横須賀中央駅の間は、特急列車らしいスピード感が味わえる。

三浦半島を縦断するので海の車窓が気になるけれど、意外に海は見えない。かつては海が見えたところも高層マンションやビルが立ち並び、視界はすっかり悪くなってしまった。それよりもトンネルが連続する山間部を疾走することを意外に思う人がいるかもしれない。
早春、河津桜満開の頃、快特が走る

早春、河津桜満開の頃、快特が走る

旅が大詰めとなる三浦海岸駅の手前の津久井浜駅を出ると左手の屋並みの向うに東京湾の入口に当たる浦賀水道の海面が輝いて見える。これが唯一の海の車窓だ。三浦海岸駅を出ると終点の三崎口駅まで河津桜の並木に沿って走る。早春は濃いピンクに染まり見とれてしまうだろう。
 

終点・三崎口駅からバスで三崎港へ

みさきまぐろ駅と改名?した三崎口駅

みさきまぐろ駅と改名?した三崎口駅

三崎口駅は、最近、みさきまぐろきっぷのPRのためか「みさきまぐろ駅」という愉快な駅名標が立っている。駅舎にも同じ駅名が掲げられていて楽しい。駅前はバスターミナルとなっていて、多くの人は三崎港、城ケ島、油壺などを目指す。

早朝の出発でなければ、まずはお昼を食べるところを探したい。まぐろまんぷく券(B券)の加盟店は三浦海岸駅周辺に7店、三崎港周辺に15店、城ケ島周辺に5店、その他5店となっていて、三崎港周辺が半数近くだ。とくにこだわりの店がなく迷うようだったら、とりあえず三崎港へ行ってみよう。
三崎口駅前からバスに乗車

三崎口駅前からバスに乗車

三崎口駅前の2番乗り場発のバスで15分。1時間に5~6本ほど出ているけれど、等間隔ではないので、タイミングにより15分以上待つこともある。運賃は310円、みさきまぐろきっぷA券を降車時に提示すれば追加料金は要らない。
 

食事と買い物

漁船が停泊する三崎港

漁船が停泊する三崎港

三崎港のバス停で降りれば目の前が港で漁船が何艘も停泊している。磯の香りが漂い、海岸にやってきたことが実感できる。海を正面に見て右手に進むと、食事のできる加盟店がずらりと並んでいる。
三崎港付近のまぐろを食べさせてくれるお店

三崎港付近のまぐろを食べさせてくれるお店「香花」

まぐろを食べさせてくれるお店、その2

まぐろを食べさせてくれるお店、その2「七兵衛丸」

パンフレットを見ながら、あるいはお店の入口にある案内板を見ながら決めよう。各店の席数は24席から164席まで幅がある。また、人気で満席のところもあるので、パンフレット裏の混雑状況が確認できるQRコードで専用サイトをチェックしておくと、ちょっと離れたところにあるお店の場合、無駄足を踏まなくて済みそうだ。

いずれも1500~2000円程度のランチがB券を渡すことによって食べられる。ミニサラダ、まぐろ角煮、ソフトドリンクサービスなど平日のみの特典もある。
特選まぐろきっぷ丼

特選まぐろきっぷ丼

筆者は、三崎港前に並ぶお店のひとつ「香花」(きょうか)で「特選まぐろきっぷ丼」をいただいた。日替わり小鉢1品サービスとあったが、実際には2種類の小鉢サービスを受けた。

2回目は、早めに食事がしたかったので、三浦海岸駅で下車し、駅近くの「さかな料理 まつばら」にて「まぐろづくし膳」をいただいた。ねぎとろ、まぐろホホフライ、あら煮と確かにまぐろづくし。味噌汁は蟹の出し汁が美味しかった。三浦海岸駅前からも三崎港行きのバスが出ていて、こちらの方が三崎口駅前から出るバスよりも空いているようである。
まぐろづくし膳

まぐろづくし膳

うらりマルシェ

「うらりマルシェさかな館」

お店が並んでいる通りの海側、港の脇には「うらりマルシェさかな館」がある。鮮魚のみならず、まぐろの加工品、野菜などいくつもの店舗が並ぶ市場だ。ここでC券を渡してお土産を買ってもいいし、お金を払って獲れたての魚などたくさん買い込んでもいい。私は、まぐろが好物なので、まぐろネギトロ冷凍パックと交換した。

2回目は、うらりマルシェさかな館にある「さんき」で「まぐろのかまのいぶり焼き」と交換した。
まぐろのかまのいぶり焼

まぐろのかまのいぶり焼

うらりマルシェの前に停泊しているのが水中観光船「にじいろさかな号」と対岸の城ケ島へ向かう渡船だ。いずれもC券でチケットと引き換えて乗船できる。
水中観光船「にじいろさかな号」

水中観光船「にじいろさかな号」

 

太平洋の絶景が眼前に広がる城ケ島へ

城ケ島大橋からの情景(バス車内から)

城ケ島大橋からの情景(バス車内から)

対岸の城ケ島へは渡船で行くほか、バスで城ケ島大橋を渡って向かう方法がある。大橋は、大型船が下を航行できるように高いところに架けられているので、ループ線のように半周する道をたどって橋の入口まで上っていく。橋からの眺めはよい。「城ケ島の雨」を作詞した北原白秋の歌碑前を通り、島内を西に向かって城ケ島バス停まで13分程。

バスを降りたら、城ケ島灯台を目指す。灯台のある高台からは雄大な太平洋が眼前に広がる。下に降りると城ケ島京急ホテルがあり、ここのレストランでB券を使って食事をしたり、ホテルの温泉で日帰り入浴を楽しむのもよい(C券利用)。
城ケ島の海岸風景

城ケ島の海岸風景

ホテル前の奇岩がむき出しの海岸は迫力がある。ウォーキングコースが島を半周するように設けられているので、足に自信のある人は1時間ほどかけて歩いてみると馬の背洞門やウミウ展望台など変化に富んだ情景を目にすることができるだろう。帰りは白秋碑前のバス停から三崎港あるいは三崎口までバスで戻ればよい。
 

C券を使ったユニークな楽しみ方

C券利用で楽しそうなのは、ダブルデッカーバス「KEIKYU OPEN TOP BUS」の乗車だ。三崎口駅から城ケ島までの片道コースが10:30発と12:30発の2便、城ケ島経由の周遊コースが15:00発の1便。このバスはC券引換でしか乗れない(別途、お金を払って乗る方法はない)。京急の2100形電車をモチーフにした屋根のない楽しいバスである。
2100系電車をモチーフにしたオープントップバス

2100系電車をモチーフにしたオープントップバス

 

途中下車もOK! 帰路に横浜で寄り道

往復どちらかで遭遇できれば幸せになる京急イエローハッピートレイン

往復どちらかで遭遇できれば幸せになる京急イエローハッピートレイン

三崎口駅から一気に帰ってもいいけれど、A券の途中下車できるメリットを活かして、横浜駅あたりで途中下車するのも面白そうだ。A券は、その日の終電まで有効なので、中華街やみなとみらいで夕飯を食べたり、飲み会を開くのもアリだろう。ただし、京急以外の電車やバスは別途支払わなければならない。
 

決算報告! いくらお得になった?

みさきまぐろきっぷA券

みさきまぐろきっぷA券(2021年)

ともあれ、さまざまな楽しみ方があるので、各自工夫してみたい。ちなみに、筆者の1日の決算報告は

01_京急品川~三崎口往復   1900円
02_バス乗車 
三崎口~三崎港(310円)
三崎港~城ケ島(250円)
城ケ島~三崎口(400円)   計 960円

03_まぐろきっぷ丼(B券利用)   1900円
04_お土産(C券利用)       約800円

合計       推計5560円

これらが3570円のきっぷでまかなえたため、2000円ほど得した計算になった。

【関連リンク】
みさきまぐろきっぷ(京急電鉄の公式サイト)

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