鉄道/SL

SLばんえつ物語・鉄道の街に復活した貴婦人(4ページ目)

新潟~会津若松間に運転される人気定番SL列車「SLばんえつ物語」。牽引する「C57 180」は、鉄道の街の人々の熱い想いで、約30年の眠りから覚めた蒸気機関車でした。力強く優しいその姿に会いに行ってみませんか。

執筆者:高橋 良算

かつての保存場所を訪ねて

新津第一小学校
「C57 180」が保存されていた新津第一小学校(車内から)
今回は乗車する前に、SLばんえつ物語号を牽引する蒸気機関車「C57 180」が約30年間保存されていた場所を訪ねてみました。

その場所とは新潟市新津(旧新津市)。信越本線と羽越本線、磐越西線が交わる新津は、鉄道の要衝として栄えたところです。以前は住民の多くが何らかの鉄道関係の仕事に従事していたという鉄道の街。現在もJR東日本の「新津車両製作所」があり、山手線や湘南新宿ラインなどを走る首都圏の新型電車の多くが製造されています。

日本中から蒸気機関車が次々と姿を消して行った1969(昭和44)年、この鉄道の街に蒸気機関車を残そうというある機関士の方の働きかけによって、この「C57 180」の保存が実現したのでした。

SLへのメッセージ
線路脇に掲げられていたメッセージ。これを見て機関士さんが汽笛をサービスしてくれるのだとか
その保存場所だったのが、新津第一小学校。解体して運ぶには大変な費用と手間がかかるため、校庭に線路を敷き、保存場所まで自走させる方法が取られました。線路のすぐ脇に住む方に聞いてみたところ、当時は新津駅から引き込み線が小学校のそばまで伸びており、そこから線路を延長して走らせたようですが、残念ながら現在はその痕跡をみることはできませんでした。

それから約30年後、この校庭で大切に保存されてきた「C57 180」を、もう一度走らせようという機運が盛り上がりました。それを受けて1998(平成10)年に復元修理が開始され、引退からちょうど30年目の1999(平成11)年、「C57 180」は再び線路上を走行、見事「復活」を遂げたのです。

奇しくも「SLばんえつ物語」号のルートである磐越西線の線路は、新津第一小学校のすぐ横。ここを通過するとき、「C57 180」はかつての住処を懐かしむかのように、ちょっとだけ長めに汽笛を鳴らします。

「SLばんえつ物語」号乗車のポイント

夏休みの混雑
夏休みや連休の混雑は避けて乗りたい
列車の性格上、家族連れが大変多く乗車します。ゆっくりのんびりと汽車旅を楽しみたいなら、混雑するゴールデンウィークや夏休み期間は避けた方がよいでしょう。これはSL列車だけに限りませんが、ピークをはずせば、比較的空いています。以前、ガイドが4月初めに乗車した際には、4人掛けのボックスシートを最初から最後まで独り占めすることができ、ゆったりと楽しむことができました。

「SLばんえつ物語」号は、新潟駅発の上りと会津若松駅発の下りの1往復が運転されます。会津若松駅発の下り列車は、新潟発に比べて空いているようです。季節によっては夕方~夜にかかるダイヤですが、それはそれで雰囲気があるでしょう。

また「SLばんえつ物語」号は全席が指定席の快速列車です。普通乗車券の他に、あらかじめ用意した座席指定券が必要です。運転日は土日祝日が中心。詳しくは最新の時刻表などで確認してください。

快速列車ですから、「青春18きっぷ」と座席指定券でも乗車可能。夜行快速列車の「ムーンライトえちご」と組み合わせれば、列車の旅が1日たっぷりと満喫できます。

なお「C57 180」が車両検査に入るため、2006年は10月22日が「C57 180」による最終運転となります。10月28日以降は別の機関車による運転となりますので、ご注意ください。



[関連サイト]

JR東日本新潟支社「SLばんえつ物語」号
運転日・停車駅・運転時刻などはこちらでチェック。
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