亡き父に多額の借金があったというご相談
相続放棄をすれば故人の借金を払う必要はありません。ただし、資産を相続することもできません。 |
そこで、本日、先生のところに相談におうかがいした次第です。私や母、兄弟たちは、父の借金を払わなければならないのでしょうか。
弁護士:相続放棄という手続きをとれば、借金を相続しなくて済みます。そこで、おうかがいしますけれども、お父様の借金はどのくらいありますか?
相談者:3000万円くらいあります。
弁護士:どんなところから借りていたのですか?
相談者:一番大きいものが、銀行からの事業資金の借入れです。これが2500万円くらいあります。次に大きいのは住宅ローンの残りです。これが400万円くらいあります。以前、父は住宅ローンを組んで自宅を購入したのですが、途中で返済できなくなり、結局、自宅を競売にかけられてしまいました。しかし、自宅を売却したにもかかわらず、住宅ローンが完済にならず、結局、400万円くらい借金だけが残ってしまったのです。この借金は、母が連帯保証人になっています。ちなみに、銀行の事業資金の借入れも、住宅ローンの残りも、いずれもすでに債権回収会社に譲渡されています。その他に、銀行のカードローンが100万円くらい残っています。
弁護士:銀行の借入れは、お父様が個人で直接借り入れたものですか?
相談者:いいえ、父の会社が借主で、父は連帯保証していました。
弁護士:会社はいまどうなっていますか?
相談者:もう5年くらい前から一切事業はおこなっていません。
弁護士:銀行のカードローンは、誰か連帯保証人になっていますか?
相談者:いいえ、連帯保証人はいません。
弁護士:お父様に資産はありますか。
相談者:いいえ、自宅を競売にかけられてしまったので、めぼしい資産は何もありません。
次のページでは、相続放棄の手続きについてのやりとりを見てみましょう。