肖像権侵害

のぞきは民事でも刑事でも問題になります。
まずは弁護士に頼んで内容証明書を送ってみることが効果的でしょう。警察に相談に行くときは、証拠をもっていくことが大切です。
最高裁判所は、「何人も、その承諾なしに、みだりにその容貌・姿態を撮影されない自由を有する」として、肖像権を憲法上の権利として認めました(昭和44年12月24日判決)。したがって、私的な行動であるかぎり、たとえ人目にさらされている状態であったとしても、無断でみだりに自分の顔などを写真に撮られることを拒否することができます。

そして、ビデオ撮影をされてしまったならば、撮影者に対して、撮影した理由、撮影したテープの使用目的、撮影者の身元などを問いただすこともできます。撮影されてしまった人は、ビデオテープを自分にとって不利な用途に使用することを防止するよう求めることができることはもちろん、撮影者に対しテープの返還を求めることもできます。もっとも、ビデオ撮影の映像が、ニュースとなるような公の関心事である場合(デモ行進や犯罪の行なわれている状況など)には、肖像権侵害はないので、上記のような要求をすることはできません。

ご相談のケースでは、肖像権侵害は明らかですから、民事上、不法行為に基づく損害賠償請求や、テープの返還を求めることが可能です。

のぞきは犯罪

次に、のぞきは民事だけでなく、刑事でも問題になります。つまり、のぞきは犯罪なのです。正当な理由がないのに、他人の住居、浴場、更衣場、便所等、人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見る行為は、軽犯罪法1条23号にあたり、拘留または科料で処罰されます。「拘留」とは、1日以上30日未満の期間、拘留場に拘禁される刑罰であり、「科料」とは罰金より軽い財産刑の一種で1000円以上1万円未満の金員を国に徴収される刑罰です。この場合、のぞく方法については特に限定がありません。直接のぞき見るもの、双眼鏡を使うもの、ご相談のケースのようにビデオで撮影する方法などももちろん含まれます。

また、たとえば、東京都の迷惑防止条例では、女性が着用している下着などの盗撮について、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という比較的厳しい罰則が定められており(5条1項、8条2項)、ご相談のケースでも、これに該当する可能性があります。

どのようなアクションを起こせばよいか?

では、どうやって止めさせれば良いのでしょうか。取りうる手段として有効なのは、内容証明書の発送です。内容証明書で、のぞき行為で迷惑していることを相手に知らせましょう。その際、弁護士に依頼して、弁護士の名前で送ると効果があります。とりわけ女性の一人暮らしの場合など、相手がストーカー化して重大犯罪に発展する可能性もありますから、早急な対応が必要でしょう。

また、警察にも再度相談に行くべきです。その後もずっと盗撮が続いていることを報告して、被害届を出しましょう。警察は、証拠がないとなかなか動いてくれませんから、被害を受けていることを証明できるような資料を持っていくことが大切です。相手が盗撮しているところを写真撮影したり、ビデオ撮影された日時などをメモに残しておくだけでも効果があります。

卑劣な行為に泣き寝入りすることなく、勇気をもって立ち向かってください。


<参考リンク集>
セクハラ、痴漢、無言電話、ストーカー
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