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会社から退職勧奨された、どうすれば良い?(2ページ目)

この退職合意書にサインしなければ、直ちに解雇すると会社から言われた場合、あなたはどうしますか。解雇されたら明日の生活にも困ってしまう状況下で、あなたは冷静な判断ができるでしょうか。

酒井 将

執筆者:酒井 将

暮らしの法律ガイド

会社の手口は?

安易にサインしてはダメ!
労働基準法では解雇の要件は厳しく設定されています。会社には雇用の自由とともに解雇の自由があるなどと考えたら大間違いです。会社はそう簡単に従業員を解雇することはできません。
近年、外資系の会社がどんどん日本に進出し、終身雇用制という日本の企業文化が崩れようとしています。外資系企業はもちろん、最近は、日本の企業も、簡単に従業員を辞めさせようとします。その場合の会社の手口はまさにご相談のようなケースが典型例です。まず、あなたの仕事上のミスを指摘するなどして、このままでは解雇せざるを得ないことをほのめかします。そして、会社が用意した「退職合意書」にサインするよう求めます。会社は、「サインをするならば、解雇という最悪の事態は回避できるし、転職支援などの特典を用意する」とささやきます。

解雇の要件は厳格

しかし、ちょっと待ってください。その「退職合意書」にサインしてはいけません。それでは、会社の思うつぼです。なぜ、会社が退職合意書にサインさせようとするのか、あなたは考えたことがありますか。会社はできる限り、「解雇」という形はとりたくないのです。なるべく従業員が納得したうえで、合意のもとで辞めたという形式をとりたがるのです。では、なぜ、会社は従業員を「解雇」したくないのか。それは、法律上、会社は従業員を簡単に解雇できないとされているからです。つまり、解雇した後で、従業員から裁判を起こされた場合、会社は敗訴するリスクが非常に高いのです。だからこそ、そのリスクを回避し、かつ従業員を穏便に辞めさせるために、退職合意書にサインさせようとするのです。

弁護士に相談を!

「どうせ会社に居辛くなっちゃったし、もう辞めても良いよ。サインを拒否してまで会社に居座るつもりはないよ。」とあなたが思っているとしても、あなたが納得できる条件の提示がない限りは、退職合意書にサインしてはいけません。というのも、本来であれば、会社はあなたを辞めさせることはできないからです。あなたが辞めると言わなければ、会社はあなたに対し、今後もずっと給料を払わなければならない立場にあります。辞めなければならない理由がないのに、会社の要求にしたがって辞めるわけですから、それなりの条件を要求するべきです。「こんな会社辞めてやる!」と感情的になるのは簡単です。しかし、ここはひとつ冷静になって、どう辞めるのが一番良いかを考えてみるべきです。一人で会社と交渉することが不安ならば、弁護士を立てるべきでしょう。退職合意遺書にサインしてからでは後の祭りです。その前にぜひ弁護士に相談してみてください。


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