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闇サイトを利用した犯罪の抑止とおとり捜査

最近、闇サイトを利用した犯罪が増加しています。サイトを通じて知り合った自殺志願者を殺害したり、サイトを通じて知り合った者同士が凶悪犯罪を実行したりしています。今回は、予防策について考えてみました。

酒井 将

執筆者:酒井 将

暮らしの法律ガイド


人間の仕業とは思えない残虐非道な事件に憤りを禁じえません。

愛知女性拉致殺害事件

平成19年8月24日午後10時頃、名古屋市千種区の路上を歩いていた女性を3人の男が強盗目的で拉致しました。犯人たちは、女性を車に連れ込み、「殺さないでください」と必死で命乞いをする女性をハンマーでめった打ちにしたうえ、頭に袋をかぶせて窒息死させました。その後、犯人たちは被害者の女性を岐阜県の山中に埋め、所持金を奪って逃走しました。この凶悪事件、その残忍性もさることながら、犯人の男たちが、「闇の職業安定所」という犯罪者を募集する闇サイトで出会ったという特殊性からも世間の注目を浴び、連日トップニュースで報道されました。全く面識のなかった3人のうちの1人がこの闇サイトに投稿し、他の2人がこれに呼応して、女性を殺害し現金を奪うことを決めたのです。

この種の闇サイトは、かねてから違法行為の勧誘を主目的とするウェブサイトとして一部の犯罪者たちに頻繁に利用されていました。そこでの書き込みの内容は、殺人や強盗などの犯罪の依頼・請負や、拳銃・違法薬物の売買、いわゆる援助交際などの未成年者との売春、わいせつ画像や児童ポルノの販売、詐欺などの犯罪に利用するための携帯電話や銀行口座の売買など、明らかに違法なものばかりでした。こうした闇サイトの運営者や、違法な書き込みをした人間を摘発することはできないのか。そのまま放置すれば、いずれ犯罪を実行する状況であるのに、指をくわえて見過ごしてしまって良いものか。こうした問題意識が出てくるのは自然の流れでしょう。では、実際のところどうなのでしょうか?

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