飲み屋のツケに時効がある!?
そもそも飲み屋のツケが1年で時効だなんて知らないですよね?時効の期間は2年や3年5年や10年などさまざまです。

正直者がバカを見る?・・消滅時効・・

スナック経営するママのY子さんは、常連客にはツケでの支払いを許していました。ところが、一部の常連客について、ある月の支払いを請求するのをすっかり忘れてしまい、A子さんが気づいたときは既に1年が経過していました。実は、飲み屋のツケは、1年で時効にかかってしまいます。

<民法第174条>次に掲げる債権は、一年間行使しないときは、消滅する。4号 旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料、席料、入場料、消費物の代価又は立替金に係る債権

そうすると、請求し忘れた分の飲み代は、常連客に対して請求できないことになりそうです。しかし、Y子さんは、そんなことはお構いなしに、常連客に1年以上前の飲み代を請求したのでした。ふつうの人は、飲み代が1年で時効にかかるなんて知りません。A子さんから送られてきた請求書を見たお客も、時効のことは知りませんでした。さて、お客はどんな反応をしたのでしょうか?

5万円を請求されたA氏の反応はこうです。
「おっと、それはすっかり忘れていた。とりあえず今ある3万円を支払おう。残りは月末までに必ず支払うよ。」A氏は、Y子にそう言って、早速3万円を振り込み、残額2万円を月末に支払う旨の念書にサインしました。

4万円を請求されたB氏の反応はこうです。
「そんな1年以上も前のことを急に言われても困るなあ。今月はおこづかいが残り少ないから、来月末まで待ってくれないか?」B氏は、こんなことを言いつつも、来月になったらなったで、なんだかんだと理由をつけて、また支払いを引き伸ばそうと考えていました。

3万円を請求されたC氏の反応はこうです。
「オレは飲み代は全部払っているはずだ!もし払っていないとしても、そんな昔の飲み代は踏み倒してやる!」C氏の言葉には、さすがのY子さんも怒りました。「なんてひどいことを言うの!常連だからツケにしてあげているのに、そんなことを言うなら、もう飲みに来てくれなくて結構よ!」

2万円を請求されたD氏の反応はこうです。
「そういえば、たしかに飲んだ覚えがあるなあ。でも、支払うのは面倒だから、放置してしまおう・・・」D氏はY子さんからの度重なる電話にも無視を決め込んだのでした。

お客の性格が良くわかりますね。それぞれの反応もさまざまです。早速一部を入金し、残りも月末までに支払うと約束したA氏はかなり真面目で律儀な性格と見受けられます。支払うつもりはあると述べるけれども、のらりくらりと請求をかわそうとするB氏は、なかなかしたたかな性格ですね。攻撃的なC氏や無視を決め込むD氏は、まったく支払うつもりはなさそうです。不誠実な性格とも言えるでしょう。

客の反応なんて、どうでも良いじゃないか。飲み代は、時効にかかっているんでしょ?それなら、客がどんな反応しようが、飲み代は支払う必要ないのでは?

いいえ、実は、そうではありません。お客たちの請求書に対する反応次第で、請求された飲み代を支払わなければならないかどうか、結論が変わってくるのです。答えを見たい方は、次のページへ。