児童虐待を受けたと思われる子を見つけた場合には直ちに児童相談所に通告しましょう。

児童虐待の防止に関する法律

児童虐待に関し、以前は、家庭内の問題に口をはさむべきではない、といった価値観が幅を利かせていました。民法には、「親権を行う者は、必要な範囲内で自らその子を懲戒し、又は家庭裁判所の許可を得て、これを懲戒場に入れることができる。」という規定(822条)もあり、親によるしつけのために必要なある程度の体罰は許されます。

しかし、体罰と虐待は明確に区別されなければなりません。児童虐待の問題が社会的に放置できないほど深刻な状況となってくるにつれて、従前の価値観も見直しをせまられ、平成12年11月20日より、「児童虐待の防止等に関する法律」が施行されました。民法では、「父又は母が、親権を濫用し、又は著しく不行跡であるときは、家庭裁判所は、子の親族又は検察官の請求によって、その親権の喪失を宣告することができる。」という規定(834条)もあります。児童虐待をするような親に対しては、この規定を適切に利用していくべきでしょう(児童虐待防止法15条)。

児童虐待とは?

児童虐待とは以下の4つをいうとされています。
1 身体的虐待 
児童の身体に外傷が生じまたは生じるおそれのある暴行を加えることです。
2 性的虐待
児童にわいせつな行為をすることまたは児童をしてわいせつな行為をさせることです。
3 ネグレクト(教育放棄) 
児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食または長時間の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ることをいいます。
4 心理的虐待
児童に著しい心理的外傷を与える言動を行なうことです。

通告義務

学校の教職員・医師・保健婦・児童福祉施設職員など、児童の福祉に関係する職業につく人は、児童虐待を早期に発見するよう努めなければなりません。また、児童虐待を発見した人は、福祉事務所または児童相談所に通告しなければなりません。これらの規定により、これまでは児童虐待を発見しても家庭のプライバシーという心理的壁にはばまれて通告することをためらっていた人たちが、遠慮せず通告できるようになりました。

児童相談所

児童虐待の通告を受けた児童相談所は、まず児童の安全の確認を行い、必要に応じて一時的に児童を保護し、必要に応じて児童の住む家庭等に立ち入り調査を行なうことができます。その際、警察官の援助を求めることもできます。さらに保護者に対する指導・勧告、児童との面会・通信の制限も可能です。これらにより、虐待を行なった親と子を切り離すことがかなり弾力的また強力にできるようになっています。
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