オリーブの柄のテーブルクロスを敷くだけでテーブルの上が地中海の雰囲気にかわります。 |
5月16日ギリシャ大使館とギリシャ政府観光局主催によるギリシャ料理「ケラズマ」を紹介するデモンストレーションと試食会が市ヶ谷の江上料理学院で開催されました。
日本人にとってそれほどなじみのないギリシャ料理を知るための絶好の機会と思い、期待にわくわくしながら行ってきました。
今回のイベントはギリシャ人シェフ、コンスタンティノス・ヴァサロス氏をお迎えして行われました。
来日2回目のヴァサロス氏は、ギリシャと同じように歴史が古い日本の文化に大変魅力を感じていらっしゃるそうです。シェフと気軽にお話ししたり質問もできる和やかな雰囲気と、少しでも多くの方に満足して帰っていただきたいと思うやさしいスタッフの気持ちがあふれている、ギリシャらしい明るくて、さわやかなイベントでした。
中央がヴァサロスシェフです。*画面をクリックすると拡大画面が見られます。 |
伝統的ギリシャ料理「ケラズマ」とは
「ケラズマ」とはギリシャ語でおもてなしを意味します。ギリシャでは、よくホームパーティーを開くそうです。2004年にギリシャでオリンピックが開催されたときには、世界中から訪れた選手や観光客が「ケラズマ(おもてなし)」の心で歓迎されました。
海の幸やオリーブオイルは勿論、オレガノなどのハーブやチーズなどの乳製品を使ったヘルシーなお料理は目を見張るばかりにカラフルで健康的な明るさにあふれていて、日本人の味覚にもぴったりです。
では早速ヴァサロス氏お勧めのメニューをご紹介しましょう。
メリザノサラタは、足つきの少しこぶりのコンポートに盛り付けても高さがでていいでしょう。また、これからの季節ガラスの器もおすすめです。 |
ギリシャ料理は歴史が大変古く、この料理も紀元前3世紀アレクサンドロス大王東征の後、ペルシャから入ってきたそうです。
ギリシャ料理は、ディップの種類が大変多く、このナスのディップは、米ナスをグリルして皮をむき、角切りにしたトマト、パセリ、にんにく、ビネガー、オリーブオイルなどで和えて作ります。ワインと一緒に、パンにのせていただきます。
口当たりがさっぱりしていて、まさにこれからの季節にぴったりの一品。和え物やマリネ感覚で日本人の好みにも合います。どのお料理も好評でしたが、このナスのディップは一押しです。
ティロピタキアはとり易いようにトングが添えられています。 |
ギリシャは世界でも指折りのチーズ消費国。中でも「フェタ」という羊乳100%のチーズはギリシャ料理に欠かせません。
その角切りの「フェタチーズ」とすりおろした「ケファロティリチーズ」というギリシャのチーズを卵とミントと合わせ、「フィロシート」というギリシャ独特の食材で巻いて、油で揚げたりオーブンで焼いたチーズパイ。
「フェタチーズ」と「ケファロティリチーズ」も入手できないときは、カッテージチーズで代用できます。
「フィロシート」は、ギリシャでは主にパイやデザートに用いられ、春巻きの皮よりも薄く、「パリパリ感」が喜ばれそうです。明治屋などの高級スーパーで扱っています。インターネットで取り寄せることも出来るそうです。
チーズを具にして油で揚げると聞いて、チーズをワンタンの皮で巻いて揚げたような味を想像してしまいましたが、試食してみると意外にさっぱりしていました。「フィロシート」はとても薄いので、揚げても油っこくなく、中のチーズもとろりととけていて、これがとてもおいしくて、ワインにもビールにも合います。ワイワイお喋りしながらどんどんすすんでしまいそうな一品です。
バカリアロス・スコルダリアがレストランで最近みかける丸いくぼみにある長方形の皿に、ガーリックソースは正方形の器に盛り付けられています。長方形、丸、正方形の形の組み合わせがモダンで素敵です。 |
塩漬けタラに衣をつけて揚げ、ガーリックソースを添えます。ガーリックソースは、固くなったパンを水に浸した後、水気を切って、ミキサーにかけクリーム状にしたものに、細かく切ったにんにく、卵黄、酢、塩、オリーブオイルなどを混ぜ合わせます。衣は卵、小麦粉、水などを合わせて作るので、フリッターかと思いましたが、フリッターとは違うようです。味が強くてボリュームのある出来上がりを想像していましたが、ふわっと、驚くほど軽く揚がっていて意外でした。ガーリックソースも、大量のにんにくを使っている割にマイルドな味で、初めての食感でした。
パンの代わりに、じゃがいもでも代用できるそうです。じゃがいもで作ると、また違った風味になるのでしょう。
次ページでは、ヴァサロス氏お勧めのメインの肉料理とデザートと伝統的なギリシャ料理のテーブルコーディネートをご紹介しますので是非ご覧下さい。