驚くほどの高画質が最大の特徴
キヤノンのフルハイビジョンビデオカメラ「iVIS」(アイビス)シリーズの最新機種が、「HF S10」です。「HF20」という、小型軽量モデルも同時に発表されていましたが、今回は、「HF S10」をメインにレビューをしてみました。
▲画質が感動的に美しい「HF S10」 |
▲高画質で小型の「HF20」 |
HF S10、HF20共に、AVCHD規格に準拠したフルハイビジョン対応で、動画圧縮方法にはMPEG-4 AVC/H.264規格を利用しています。いわゆる、AVCHD規格のフルハイビジョン記録ができるビデオカメラです。
●フルハイビジョン画質
HF S10の最大の特徴は、なんといってもその画質にあります。HF S10は、フルハイビジョン対応です。現在、各社ともフルハイビジョン対応ビデオカメラを発表していますが、フルハイビジョンはどれも同じ画質かというと、そうではありません。採用されているレンズやCMOSなどのセンサー、そして画像処理エンジンなどによって,それぞれ画質が異なります。HF S10は、これらの要素をスペックアップすることで、とても美しい映像の記録を可能にしました。
▲フルハイビジョンといっても、画質が同じ訳ではない。HF S10の映像は美しい。 |
また、「ビットレート」という1秒間の映像の情報量は、最大24Mbps(AVCHD規格最高)という高ビットレートで記録することも、高画質化の大きな理由です。
発表会では、大画面テレビでサンプル映像を視聴したのですが、とても高画質で驚いた旧バージョンのHF11以上の高画質な映像には圧倒されました。
とにかく美しい映像なのです。青い空は澄んだように青く、暗い部分は潰れることなくきれいに階調を表現し、明るい部分も白飛びすることなく、しっかりと表現されているのです。
というより、パーソナルユース向けのビデオカメラでも、ここまで美しい映像が撮れるのかというのが、正直な驚きでした。それなりにハイビジョン映像だからきれいというのではなく、ハイビジョンだからこそ、ここまで美しい映像で残すことができるのだ、ということを、改めて実感させてくれる映像だったのです。
●大きさ
HF S10は、超小型が主流の中にあっては、ややずんぐりとした体型ですが、それは、美しい映像を残すために、大口径の光学10倍キヤノンズームレンズを搭載しているから。ずんぐりといっても、女性の手に無理なく収まるサイズなので、「でかい」というより、小型主流の現在では普通の大きさという感想です。
▲「HF S10」を手にしたところ。女性ではこのような感じ。 |
どうしても小型がいいというのであれば、HF11がおすすめ、HF S10の高画質さをそのままコンパクトなボディに詰め込んだ機種です。
▲「HF20」はHF S10より一回り小さい。 |
HF S10は総画素859万(動画時有効約802万画素)の新開発1/2.6型HD CMOSセンサーを搭載。HF20は総画素約389万(動画時有効約299万画素)の1/4型CMOSセンサーを搭載しているという点が大きな違いですね。このCMOSセンサーのサイズの違いがボディーサイズの違いとなっているわけです。
●記録メディア
HF S10、HF20共に、内蔵メモリーと外部SDメモリーに映像を記録する「ダブルメモリー」対応です。内蔵メモリーは32GBを搭載し、LPモードで約12時間、さらに32GBのSDHCメモリーカードを併用すればさらに約12時間の記録が可能で、合計で約24時間とたっぷりと撮れます。
▲外部のSDHCをセットしたところ。 |
メディア | 記録時間 |
MXPモード 1,920×1,080画素 |
約2時間55分 (約24Mbps) |
FXPモード 1,920×1,080画素 |
約4時間10分 (約17Mbps) |
XP+モード 1,440×1,080画素 |
約5時間45分 (約12Mbps) |
SPモード 1,440×1,080画素 |
約9時間35分 (約7Mbps) |
LPモード 1,440×1,080画素 |
約12時間15分 (約5Mbps) |