最近のビデオカメラは、AVCHD規格に対応した機種がおおくなりました。ところで、このAVCHD規格の映像ファイルを市販のビデオ編集ソフトで編集する場合には、ちょっと注意が必要です。
AVCHDについて
最初に、AVCHDについておさらいしておきましょう。
AVCHDというのは、「Advanced Video Codec High Definition」の略で、そのまま「エーブイシーエイチディー」と呼んでいます。これは、ハイビジョン映像を記録するための規格の1つで、ソニーと松下電器産業(パナソニック)によって策定されたフォーマットです。記録メディアとしては、8cmDVDをはじめ、SDメモリーカードやHDDなど複数の記録メディアをサポートしているのが特徴です。
HDVの場合はminiDVテープだけに対応していたので、それに比較すると使い勝手のよい規格といえます。そのため、現在ではハイビジョン対応のビデオカメラは、ほとんどがAVCHD規格を採用しています。
映像を記録する際に利用される圧縮技術には、「MPEG-4 AVC/H.264」が利用されています。これは、MPEG-2やMPEG-4と比較して約2倍の圧縮率を持ちながら、高画質なのが特徴です。
また、音声データの記録には、臨場感を再現してくれるドルビーデジタル(AC-3)方式か、またはリニアPCM方式が採用されています。この双方の技術によって、AVCHD規格は、高品質なハイビジョン映像を記録しています。
▲ソニー「HDR-SR12」 |
▲Canon「 iVIS HF10」 | ▲松下電器産業「HDC-SD9」 |
ビデオ編集ソフトの購入時に要チェック!
さて、AVCHD規格のハイビジョン映像をビデオ編集するには、利用するビデオ編集ソフトが、AVCHD規格に対応していなければなりません。カタログ等に「AVCHD対応」という文字がない場合は、そのビデオ編集ソフトではAVCHD規格の映像を編集できないと考えて間違いありません。
たとえば、ビギナー向け編集ソフトのなかでスタンダードなコーレルの「Ulead VideoStudio 12」は、AVCHD規格を標準でサポートしています。しかし、もう一方でビギナーに人気のアドビシステムズの「Premiere Elements 4.0」は、現在のところAVCHDに対応していません。ただし、ソニーのVAIOなどでは、別プログラムを導入することでPremiere ElementsでのAVCHD編集に対応させています。
したがって、AVCHD対応のビデオカメラを利用していて、市販のビデオ編集ソフトで編集したい場合は、そのビデオ編集ソフトがAVCHD規格に対応しているかどうかを確認してから、購入してください。
▲VideoStudio 12の場合は、標準でAVCHDに対応している。 |
▲Premiere Elementsでは、HDVのプリセットはあるがAVCHDのプリセットは用意されていない。 (画面クリック) |
ハイビジョン映像でも、HDV形式に対応しているビデオ編集ソフトは多いのですが、AVCHD規格には未対応、あるいはアップデートプログラムによって対応できるようになるなど、ソフトによってバラバラな状況です。AVCHD規格の映像を編集するために編集ソフトを購入する場合は、この点に注意してください。