最近、自宅でSOHO(Small Office Home Office=小さなビジネス)を営む人が増えてきました。読者の皆さんの中にもいらっしゃるのではないでしょうか。今回の「シンプルライフな人」は、SOHO居住者、フリー編集者の西脇さんです。
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西脇さんのオフィス兼住居は、都心近くのビル街の中にある2DK。SOHOにもいろいろありますが、人様からお預かりするモノ、しかも紙類がやたらに多い編集とかデザインの仕事って、どうしてもモノが増えがちで、散らかりがちなんですよね。ひとたび作業を始めるとなかなか片付けられないし。
しかし西脇さんのお宅に上がると、パソコンのモニターやOA機器こそ確かに幅をきかせていますが、SOHOにありがちのゴチャゴチャした雰囲気がありません。西脇さんはここに住んでもいるはずなのですが、私物があまり見当たらないのです。
2DKの1室が仕事場、真ん中にあるDKは仕事と生活の両方の場、もう1室がプライベート空間と、きっちり分けられています。目覚めたら、「職場」までは10歩以内という、通勤至便の極致。そのため、私物と仕事のものが混在しないようになっています。私物は、プライベート空間の収納(約2間)にすべて収められており、タンスなどの収納家具はありません。
◆「職住一緒」は持ち物・持ち方のポイント
出ているモノはとても少ないのですが、かといって必要なモノは何でも持っている西脇さん。予備の布団以外に寝袋(!)が何個もあるので、終電を逃したお友達のお泊りもOK。生活用品のストックもいっぱい持っています。なのになぜ、こんなに出ているモノがないの?
その秘密は、西脇さんのモノの持ち方・考え方にあるようです。
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服はカジュアルのみ、靴は3足!
外反拇指のため、靴は「ガンター」や「ビルケンシュトック」のような健康志向のみ。何と3足限定! 重い資料を持って長時間歩くことが多いため、バッグもデイパックがほとんどです。自然と着るものはカジュアルに限定され、シャツとパンツに、せいぜいジャケットを羽織る程度。あれこれ持たないのでクロゼットはご覧のようにシンプル。
野口悠紀夫方式
何と西脇さん宅には本がほとんど見当たりません。読んだ端から処分して、処分しきれないものだけ、押入れのダンボールにしまう「閉架式」を採用しているため。CDもこの伝で、CDラックは特に設けず、箱の中に全部収納しておきます。よく聴くものは自然に上の方にたまるとのこと。服(吊るす収納)は「次に着るものはここ」というポイントにかけておき、寒くなったり暑くなったりして次第に着なくなったものは、いつの間にか端の方へ寄っていくそうです。だから衣替え不要。これらは、時系列で古いものを自然に端の方へ追いやっていく、野口悠紀夫方式に通じる収納法といえそうです。
一物多用
西脇さんは石けん愛用者です。石けんは「シャボン玉」の通販でまとめ買いし、何でもコレで洗ってしまうそう。ジャケットもコートも、粉石けんでOK! クリーニングも出しません。お掃除用は1種類のフローリングワイパーのみで、どこでも掃除してしまうし、台所のゴミ受け用のネットは、切り開いて平面にしたものをお風呂の排水溝の髪の毛集めにも転用。つまり、シンプルなものを何種類もの用途に使いまわすのです。
本当に好きなモノ以外持たない
西脇宅には掃除機も電子レンジもありません。理由は「気に入るデザインがないから」。食器も、吊り戸棚に納まるだけ。「ほんとうは和食器が好きで、欲しいなと思うこともあるんですが、集めるとキリがないですもんね」。
人柄も飾り気のない西脇さん