今年3月1日にオープンした世界最大の観覧車シンガポールフライヤー。手前のスタンドは9月に行われるF1シンガポールグランプリの観覧席にもなります。この海沿いの道をF1が走るそう |
実際、本制度は他国のワーキングホリデーとは異なり、「就職お試しビザ」「インターンシップビザ」的な要素が強い内容になっているのが特徴です。
「資源を持たない小国のシンガポールがこれからも経済発展を続けるには才能ある外国人の力が不可欠だとシンガポール政府は考えています。ワーク・ホリデー・プログラム制度を使い才能ある若者がシンガポールでの生活・就労を経験することで、その中から将来シンガポールで働きシンガポールの経済発展に寄与する人材が出てくることがシンガポール政府の当制度導入の狙いです」と教えてくれたのは、シンガポール在住で留学やワーキングホリデーのサポートを手がけているハートリンク・コミュニケーションズの高村さん。
移民の国シンガポールは、人口約450万人の約77%が中国人、それ以外にもマレー人、インド人など、多様性に富む移民社会です。加えて、約75万人以上の外国人も居住しており、多国籍企業数は約7000社以上(総企業数は10万以上)。もともと移民を受け入れることにウェルカムな国である上に、急速に進む少子化がその背景にあるようです。シンガポールの2006年の出生率は、1.26と前年の1.25からわずかに上昇したものの、少子化問題が大きい日本と比べても(日本は2007年は1.31/6年ぶりに上層した数字で、過去最低は2005年の1.26)ほぼ同水準で、アジアでも有数の少子化国なのです。少子化による人口減少対策、人材確保のための一環として、このワーク・ホリデー・プログラムが実施されたといえます。
こうした背景を持つワーク・ホリデー・プログラムは、他国のワーホリとはかなり意味合いが違う上に、制度の活用方法もかなり違うと言えそうです。
そのため、いくつか注意したい点があると、前述のハートリンク・コミュニケーションズの高村さんは話します。
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