そうなんですよね。自己資金約20万円で、6週間余りの船旅をしながら、世界各国の若者と語り合い、たくさんの友達を作る――そんなめったにないチャンスを知らない人が多いのは、とっても残念な気がします。
そこで、今月は「世界青年の船」プログラムの詳細を徹底解剖!プログラムのガイド役を引き受けてくださったのは、第17回世界青年の船で日本のサブ・ナショナルリーダーを務めた村本由香さんです。参加したことがない人が抱く「ソボクな疑問」にお答えいただきつつ、政府のおカタい募集要綱だけではうまく伝わってこない実態や魅力にせまってみましょう。村本さんには、別途「海外でやりたかったコレを実現!インタビュー(12) 世界10数ヵ国の仲間と船上生活」で、個人的な体験も語っていただきました。
日本、オセアニア、中近東、アフリカ、ヨーロッパ、北米、南米地域など13ヵ国の青年が、船内で共同生活し、共通課題の研究・討論、各国事情の紹介、クラブ活動、スポーツ、レクリエーションなどの各種交流活動を行いながら、オーストラリア、フィジー、ニュージーランドを訪問。訪問先では、その国の青年との交流活動や、関連施設の見学などを行いました。日程や訪問国は変わりますが、プログラムは毎年実施され、参加者は一般募集されています。
<第17回世界青年の船概要>
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日本、オセアニア、中近東、アフリカ、ヨーロッパ、北米、南米地域など13ヵ国の青年が、船内で共同生活し、共通課題の研究・討論、各国事情の紹介、クラブ活動、スポーツ、レクリエーションなどの各種交流活動を行いながら、オーストラリア、フィジー、ニュージーランドを訪問。訪問先では、その国の青年との交流活動や、関連施設の見学などを行いました。日程や訪問国は変わりますが、プログラムは毎年実施され、参加者は一般募集されています。
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<目次>
ソボクな疑問1: 社会人は仕事どうするの?
ソボクな疑問2: ということは、学生の参加者が中心?
「学生と社会人のバランスは半々くらい。特に女性の社会人は退職しての参加だったり、資格試験勉強中だったり、JICA(国際協力機構)に参加経験がある人だったり、さまざまなバックグラウンドをもった人がいます」ソボクな疑問3: 留学生同様、女性が多い? 年齢層は?
「参加年によって異なりますが、日本人の参加者は70~80%が女性。外国人は、国によって異なりますが、全体的には半々という感じです。年齢は18~30歳まで幅広く、バランスよくいます。参加国によっては若い人が多いという傾向もありますが」ソボクな疑問4: 滞在する「にっぽん丸」ってどんな船?
見よ、これがにっぽん丸! |
ソボクな疑問5: 船内活動って、具体的には何してるの?
「船内での1日のおおよそのスケジュールをご紹介しましょう。
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ソボクな疑問6: プログラムのこと、もう少し具体的に教えて!
「主要なプログラムをご紹介しますね。【ディスカッション】
今回新規に導入された船内活動プログラム中のメインのプログラムで、全体での導入フォーラムでは、「青年の社会活動」をテーマに各国代表者によるプレゼンテーションがありました。その後、6つのコース(教育、環境、情報&メディア、国連、異文化理解、経済)の中から各自1つずつ選択したテーマに沿ったディスカッションやワークショップなどをアドバイザーとファシリテータの指導のもとに行います。オーストラリアでの寄港地活動は、コース別の訪問活動となりました。わたし自身は、情報&メディアコースを選択し、オーストラリアで訪れたテレビ局の見学が印象に残っています。最後のまとめとして、全体で総括的な発表を行い、各コースで学んだ内容をほかのコースの人と共有しました。
日本人はよさこい踊りを披露 |
40分~60分の持ち時間で、国ごとに文化紹介を行うもの。事前に準備をして、船内でリハーサルを行い、伝統的なダンスや音楽、ビデオ、スライドなどを使って華やかに演出します。社会事情などを寸劇のように発表する国もありました。まるで各国の旅に行ったような気分にさせられます。日本は120人全員で、よさこい踊りや沖縄のエイサー、和太鼓など各地域の伝統的な祭りや現代の若者文化などを交えて、七五三や学校制度の紹介、成人式や就職事情などの発表を行いました。
アフリカンダンスクラブ |
日本文化紹介クラブ(折り紙、書道、日本の歌など)、武道クラブ、アフリカンダンスクラブ、サルサクラブなどがあり、お互いに教えたり習ったりする中で、新しい文化に触れたり、また自国の文化での発見があったりすることも多くあります。また、最後に行われる発表会に向けて、チームワークの大変さや楽しさを感じながら、クラブごとに練習を積み重ねていきます。
【グループ活動】
グループに分かれて、メンバーの交流を深めるための活動を行います。具体的には、グループTシャツを作ったり、写真を見せ合いながら自己紹介をしたり、各国のダンスや歌を習ったり、ゲームをしたり。各グループは、日本人が約10名、外国人が約10名。日本人を除いて、同じ国の人は重ならないようになっています。つまり、日本人以外は、すべて違う国の人が集まって1つのグループになります。
【スポーツ&レクリエーション】
スポーツ&レクリエーション時間は2回あり、委員を中心に、グループ対抗のゲームやクイズなどを行いました」
ソボクな疑問7: トラブルや苦労ってないの?
日本を含む13ヵ国から参加。共通語はもちろん英語! |
(1)コミュニケーション 日本人にとっての一番の苦労の1つとして、やはり言葉(英語)の問題があると思います。中には英語があまり得意ではない参加者もいますし、得意な人でさえも、ネイティブの英語やネイティブ以外の癖のある英語を聞き取るのに苦労します。それでも、積極的に話しかけて、「友達になりたい!」という気持ちがあれば、次第に慣れていきます。最初は、分からないことを「分からない」と伝えることが難しかったり、自分の言いたいことを伝えることができずにもどかしく思ったりすることも、必ず1度は誰もが経験することでしょう。
(2)体調管理
船内は乾燥していて、また大勢での共同生活のため、喉を痛める人が多かったです。また、毎日寝る時間ももったいないと思うくらい、多くの活動があるので、無理をしすぎると体調をこわすこともあります。船酔いについては、個人差がありますね。船内には、看護師も乗船していますし、クリニックに薬なども完備されているので、基本的なことには対応してもらえます。体調を崩すとせっかくの楽しい活動にも参加できなくなるので、無理をせず早めに休むことが大切です。
(3)団体行動と時間 すべての活動において団体行動となるため、時間厳守が徹底される必要があるのですが、時間の感覚は各国や個人によって差があるため、その重要性を認識することが難しい人もいました。これは、事前の各国ナショナルリーダー会議でも充分に討議され、船内の会議でも常に意識されていました」
いかがでしょうか?「海外でやりたかったコレを実現インタビュー(12) 世界10数ヵ国の仲間と船上生活」では、個人的な体験をインタビューしてますので、こちらもぜひご覧くださいね。 プログラムを詳しく知りたい、次回参加してみたいと思った人は、2005年6月12日(日)に国連大学で開催される第17回「世界青年の船」事業帰国報告会に出かけてみてはいかがでしょうか。村本さんからは、「活動の内容を、展示や発表形式で伝える約3時間のプログラムです。無料ですので、ぜひ多くの方にいらしてほしいです」というメッセージをいただきました。
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