被害者5~6万人?
電話はかかってきたら出るもの? |
この数字は何とも言えないというか、スゴイ数字であることは間違いない…やはり、「電話」という手軽なツールが、犯罪のきっかけとなっている点が気になります。、被害者がたくさんいた…つまり、皆、顔も見ていないのに、「警察官」と名乗られて「電話で、だまされている」わけです。「おれおれ詐欺」もそうですが、本当に、「電話」というものは、ある意味、恐いものだと言えます。
ただ、警察署への相談件数が合わせても1,000件程度だけだとすれば、かけた回数のうち、約2%程度、つまり50人に1人しか相談していないことになります。その他の人たちは、「言われたとおり質問に答えて、疑問にも思わなかった」「おかしいとは思ったが、質問には答えた」あるいは、「おかしいと思ってすぐに電話を切った」のかいずれということになるでしょう。
容疑者の罪名
「何が楽しくてそんなことを…」と、女性からすれば思うものです。趣味・嗜好は個人的なものではあるものの、他人に迷惑をかけるのは許されないことです。容疑者は「警察官」を名乗っていた、つまり「詐称」という「軽犯罪法違反」の上、「人に義務のないことを行わせた」という刑法第223条「強要」の罪の疑いがあるのです。それだけでなく、暴行容疑もありますので、「強姦」の罪も犯していたかもしれないということで、罪はさらに重くなることが考えられます。たかが電話、されど電話。電話は被害を招く窓口にもなります。「もしもし?」と応えた声が女性のものだったら…? 不審な電話には直接応答しないで、「留守番電話機能」を使って、相手を確認してから出るようにするだけでも、被害に遭いにくくなることは確かだといえるでしょう。
法律ワンポイントチェック
刑法第223条 「強要」[1] 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行せ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。刑法第177条 [前] 暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、2年以上の有期懲役に処する。
※「詐称」の罪については、ガイド記事「コスプレでアウト!」をご参照ください。
※お断り~文中の「変質者」という表現は、差別表現の恐れがあるとして、精神病学会が「逸脱者」に変更することを要請してきているようですが、あくまでも報道記事にあった通りに書いたものであり、ガイドに差別意識があると意味するものではありません。