掃除/掃除関連情報

住まいから始めるインフルエンザ対策

今年もまたインフルエンザの流行が気になる季節になりました。「住まい」という場で行うことの出来るインフルエンザ対策、決して難しくはありませんので今すぐ開始しましょう。

藤原 千秋

執筆者:藤原 千秋

家事・掃除・子育てガイド

一説によれば、インフルエンザウィルスは匂いの粒子とほぼ同サイズだそう。マスクが完全にウィルスを防御してくれるわけではない。けれど、咳やクシャミの飛沫の飛散や侵入は抑えることができる。しないよりはしたほうがましといえる。
一説によれば、インフルエンザウィルスは匂いの粒子とほぼ同サイズだそう。マスクが完全にウィルスを防御してくれるわけではない。けれど、咳やクシャミの飛沫の飛散や侵入は抑えることができる。しないよりはしたほうがましといえる。
今冬も、インフルエンザ流行シーズンに突入しました。国立感染症研究所 感染症情報センターのインフルエンザ流行レベルマップによれば、2009年1月14日現在、インフルエンザ定点当たり報告数で、警報レベルにある都道府県は、

 ・北海道
 ・大阪府
 ・兵庫県
 ・岡山県
 ・福岡県
 ・沖縄県

となっています。皆さんのお住まいの地域ではいかがですか?



今すぐできる住まいのインフルエンザ予防行動

インフルエンザに限らずに冬の健康管理全般有効な、家の中から始められる環境整備ポイントをまとめました。けっして難しい内容ではないので、ぜひ早めに取り入れてみて下さい。

 1.玄関周辺に上着・コートかけを準備
屋外、特に人が密集するターミナル駅や電車などを利用している人の上着には、インフルエンザのみならず、風邪をひいている人の咳やくしゃみなどの飛まつが付着しています。

1回の咳によって飛び散る鼻汁や気道分泌物(唾や痰など)の小粒子は10万個、くしゃみでは200万個という、おそろしげな数値が報告されていることもあり(この小粒子のなかに、病原となるウィルスなどが含まれています)、この上着やコートを寝室などに持ち込むことは避けたほうが無難。
 
屋外から帰ってきたら、玄関前か玄関先で上着を脱ぎ、かけておくコーナーを準備しましょう。コート掛を置くことのできない玄関の場合、ドア上部にかけることのできる簡易フックなどがとても便利です。

 2.その日に着ない上着・コートやスーツなどは日光に当てて干す
インフルエンザウィルスは日光に弱いといわれます。一説では冬の直射日光であっても、照射して数十分で死滅し、また晴れの日には感染者に近づいても、2メートル離れれば感染しないそう。
インフルエンザシーズン、人ごみで着た上着は、通常の洗濯物を屋外に干す際にでも、一緒に日光にさらすとより安心です。

 3.室内の空気をきれいで新鮮なものに
冬の住まい、部屋の中の空気はたいへん汚れやすくなっています。暖房器具から出る一酸化炭素や二酸化炭素のほか、たくさん着ている衣類から出るホコリやチリ、乾燥した屋外から持ち込まれる土ぼこりなども空気を汚す一因です。

汚れた空気は気管や粘膜を傷めるため、抵抗力を落としてインフルエンザに罹患しやすくなってしまいます。午前中早い時間の澄んで少し湿った空気は乾燥に傾きがちな冬の室内空気の換気にとても適しています。天候や時間を見て、意識して部屋の空気を入れ替えるようにしましょう。
 
 4.室内の加温加湿は18~20度、60%を目安に
インフルエンザウィルスのウィルス学的知見、および記述疫学的調査の報告で気温・湿度と気候・流行の関係を調べたものなどによると、「低湿・低温」はやはりインフルエンザに感染する高リスク因子であるようです。

とはいえ、やみくもに暖房し、加湿する必要はありません。あまり高頻度ではないといわれますが、「空気感染(飛沫核感染)」を心配するのであれば、まめに空気を入れ替えた上で、「18~20度」程度の気温、また「60%」程度の湿度を維持するように心がけましょう。

精度の良い温湿度計の導入は、住まい環境を年間通じて整えるためのマストアイテムです。まだ家にないというお宅は、すぐにでも。複数個用意して、リビングや子ども部屋など、住まいの各所に設置させたいものです。


インフルエンザに罹ってしまったら

子どもが発症したインフルエンザを、看病する母親が貰ってしまうケースが後を絶たない。看病のための寝不足も強敵だ。
子どもが発症したインフルエンザを、看病する母親が貰ってしまうケースが後を絶たない。看病のための寝不足も強敵だ。
予防を心がけていても、罹ってしまうときには否応も無く罹ってしまうもの。インフルエンザは家庭内感染が多く、特に子から母親への親子間感染がもっとも懸念されます。発症した家族への対応や、家庭内感染防止のための環境整備にも気をつけましょう。

 1.発症した家族はできるだけ別室で看護する
本人をゆっくり安静に休ませるためにも、発症して一週間程度は、他の家族と離して休ませた方が無難です。咳や痰の飛散を防ぐ意味で、発症した本人のマスク着用が可能であればマスクをしてもらいましょう。看護する家族の方も飛まつを吸い込むことを防止するため、マスクをしたほうが安心です。気温、湿度に関しては、予防方法に準じてで OK。空気をこもらせると飛沫核感染のおそれが増すので、定期的な空気の入れ替えも大事です。

 2.掃除、洗濯は通常通りで
インフルエンザウィルスは、ノロウィルスなどに比べ、一般的な消毒薬にも弱く、また日光、高温にも弱いため、掃除や洗濯に際しての気遣いは、それほど難しく考えなくても大丈夫でしょう。
洗濯物は他の家族のものと一緒に洗ってもさほど危険ではないと考えられています。でも心配であるならば、漂白剤を一緒にかけるとよいでしょう。洗ったものは直射日光の下で干すか、アイロンをかけるか、乾燥機にかけるなどする通常の方法でいいでしょう 。

掃除の際には、明らかに感染者の咳・くしゃみの飛まつが飛んでいる部分などは注意して拭き取り、消毒用アルコールなどで消毒したほうが安心ですが、そのほかの部分は、通常通りに掃除し、換気します。

 3.寝具は可能であれば干す
寝具についたウィルスを日光で死滅させる意味でも、可能であれば日光にさらして干すようにしましょう。シーツ等も汗や分泌物などで汚れやすくなっていますので、洗濯し干します。


インフルエンザに罹っても、罹らなくても、これらのTipsは冬場の健康維持に欠かせないポイントを網羅しています。
住まいの予防対策に加え、しっかり眠って、よく食べて、元気にこのシーズンを乗り切りましょうね!




【参考文献】
●インフルエンザとかぜ症候群 改訂2版/加地正郎 編(南山堂)
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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