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街の『臭い』に気をつけて!(2ページ目)

文句なしの駅前マンションを購入したAさんが直面?! 便の良さの裏に、気になるこんな問題があった…!

藤原 千秋

執筆者:藤原 千秋

家事・掃除・子育てガイド

十人十色、住人十鼻?!


Aさんは早速、マンションの定期総会の席でこの問題を発表してみました。しかしそこで、意外な言葉を聞いたのです。

「え? 揚げ物のにおい…? いい匂いじゃありませんか? 美味しそうで」
「おなか減っちゃいますよね」「アハハハハ」

Aさん、愕然です。
Aさんにとっては「悪臭」でも、他の人にとっては別に問題視するほどのニオイではない、場合によっては好ましい匂いでさえあり得るなんて考えもしませんでした。
そう、ニオイの感じ方には、大変に個人差があります。Aさんは誰もが悪臭だと感じているはずだと信じて疑いもしなかったので、この事実は大打撃でした。
ただ、同様に悪臭だと感じ、悩んでいる住人も他にいたのが、救いといえば救い。
しかし住んでいる階や、窓の位置、風向きや天候によって、それぞれの住まいで感じるニオイのレベルはどうやら一定ではなく、「我慢すれば、できなくもない」「耐えられない」など、意見の一致は図れそうになかったのでした。


『受忍限度』がカギ


Aさんのマンションのようなケースは、ある意味、「そういう場所(駅前繁華街)なんだから、多少臭って当たり前」と言われてしまえばグゥの音も出ない話です。「嫌なら住まなければいい」。その通り。特に用途地域でいう『商業地域』は、「主に商業等の業務の利便の増進を図る地域」、住環境としての日照・眺望などの確保よりも、土地の高度利用の方が優先されてしかるべきエリアだということは大前提にあります。

>>>『用途地域』って何? というあなたはここで要チェック!
『用途地域』って何のコト?(住まいを考える)

でも、このまま泣き寝入りするのも癪だという場合、どのような対抗策があるのでしょうか。

その1・こんなに臭いことを教えなかったマンション売主の責任を追及する。

マンション購入時の『重要事項説明書』に、臭いについての記載が全くない場合は売主側の責任を追及することも可能です。が、大抵の場合、特記事項として近隣の飲食店などからの臭気に関する一文がシッカリ記載されているものです(購入者が目を通したことを覚えているかどうかは別)。
もっとも記載はされていても、『臭い』は一見、然程大事と捉えられない分野なのでしょう。「臭そうだから買うのは辞めた」というケースを、郊外の養豚場、養鶏場近辺で聞いたことはありますが…。

>>>『重要事項説明書』って何? というあなたはここで要チェック!
重要事項説明書を知っていますか(首都圏で家を買う)

しかし、「臭いがある」の臭いレベルがどれほどかに関しては、いわゆる『受忍限度』(耐えられる限界)がカギとなってきます。その臭いが漂うあまりに日常生活に著しく支障をきたすほどだという場合、

その2・スーパーに排気口の位置を変えるよう求める。
その3・スーパーに臭気を緩和するような機械を排気口につけるよう求める。

のように対象を(『受忍限度』をこえる悪臭源である)「スーパー(の揚げ物)」のみに絞ることになるでしょう。現に平成13年、神戸で焼き鳥屋さんの出す臭気に平穏で快適な生活を阻害されるとして、近隣住人の起こした訴訟では「臭気対策」と「損害賠償」が命じられました。その臭気が市の指針を大幅に超えたものであったことによります。ここでもスーパーの隣になるAさんのマンション住人の総意として管理組合経由で交渉したいところですが、苦痛を感じているのが少数でしかない場合、難しくなります。また、悪臭源が揚げ物以外にも多岐にわたる場合、対抗策を講じることは物理的に困難です。




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