ハワイ/ハワイロングステイ・移住

ハワイで活躍する日本人弁護士登場・後編

日本人弁護士として、日系人から移住した日本の方々に頼りにされる大塚純介さんへのインタビュー、後編です。いよいよ法律の勉強を終え、ハワイで実践に入るところからスタートいたします。

執筆者:上野 元


ハワイでインターン。そして日本へ帰国

大塚弁護士 広告
在住日本人が購読する新聞には、大塚さんの事務所の広告が出ているので、お顔もすっかりお馴染み。
大学や大学院を卒業すると、その後1年間、オプショナル・プラクティカル・トレーニングという名の下に、限定期間だけ働くことが許される特別な許可証をもらうことができます。通称「OPTビザ」と呼ばれています。

「父がまた海外赴任していたのですが、今度は場所がハワイだったのです。なので、私も父の近くでと思って、ハワイでインターン先を見つけました。」

4カ月ほどインターンを続けながら、Bar Exam(バー・イグザム)と呼ばれる弁護士のライセンスを取る試験のための勉強をし、見事合格。晴れて弁護士の資格が取れたときには、日本へ帰らなければならない時期になっていました。

「その頃は野心もあって、社長秘書的な仕事をしながら、日本でも司法試験を突破しようと根を詰めて勉強していたんですよ。でも、あまりのたいへんさに1年半で見切りをつけましたね(笑)。」

ハワイで職探し。ビザ・スポンサーを見つけて就職

1995年になって、やはりアメリカで弁護士としてのキャリアを見つけようと、再びハワイに渡りました。日本人や日系人が多いハワイならば、自分のようなバイリンガルの弁護士がきっと必要とされるはず、と信じて、各事務所の門戸を叩きます。

「幸い、ある事務所が採用してくれて、ビザもスポンサーしてくれたので、ハワイで弁護士としての本格的なキャリアをスタートすることができました。」

そこで学んだのは、「ビジネス」としての弁護士稼業。アメリカでは、弁護士事務所がテレビでコマーシャルをするほどに、一般的な職業です。電話帳などでは、競って顔を出して大きな広告を掲載しています。

「人身事故などになると、やはり成功報酬も大きいわけですね。そこを狙って、ものすごい競争があります。マーケティングが命なのです。かと思うと、保険会社と契約して、請負の仕事に専念する弁護士もいます。営業が苦手なタイプは、こちらを選べば、利益率は少なくとも仕事は多く入ってくるので、生活はまあまあ安定するものです。」

人身事故専門の場合は、いつお金が入ってくるか分からないため、ポートフォリオとして、100件くらいは同時に抱えていないと、キャッシュフローが不安定過ぎて危険なのだと言います。まさに、この辺りは、中に入ってみないと分からない、アメリカの弁護士界の裏事情といったところですね。


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