友人の購入履歴を利用した広告プログラム、Facebook Ads
Facebookが発表したFacebook AdsはSNSの特徴をフルに活用した広告です。例えば、mixiでも企業がコミュニティの主催者となり、サービスや商品を宣伝する「コミュニティ広告」というものがありますが、Facebook Adsはこれをさらに進めたものとなっています。Facebook Adsは4つのサービスから成っています。まず1つ目が、企業が独自のプロフィールページを作成し、様々なアプリケーションを配布したり、ユーザーがその企業の商品、サービスを購入、レビューを書くことも可能なFacebook Pages
2つ目はFacebookではない外部のサイトにおいても、Facebook Pagesと同じ機能を持てるFacebook Beacon。3つ目はこの2つの機能を使って得たユーザーデータを解析するFacebook Insights
そして4つ目が、Facebook PagesかFacebook Beaconと組み合わせて使うことで、Facebookユーザーのプロフィールページ上に自分の友人がFacebook PageやFacebook Beaconを使ったページ上で、どんな商品やサービスを購入、利用したかを表示するSocial Adsです。
友人が購入した商品、サービスが広告として表示されるSocial Ads |
Facebook Adsは7,000万人以上の会員を有するFacebook内において、企業広告と口コミ要素をミックスし、さらにそれをFacebook外の企業サイトでも利用できるようにしたという点で、今までにない、画期的な広告システムとして、発表直後からコカコーラ、ソニーピクチャーズ、ニューヨークタイムスなど12社の企業、ブランドが参加を表明しました。しかし、このシステムに多くのFacebookユーザーやプライバシー団体などから反感の声が出ました。
先を急ぎすぎたFacebook Ads
何故、ユーザーやプライバシー団体などから反感の声が出たのか?それはこの広告システムがユーザーへの説明、承認なしに実施されてしまったからです。つまり、ユーザーはFacebook内、Facebook Beaconを利用している企業サイト内での自分の行動が気づかないうちに友人に公開されてしまっていたということです。ユーザーやプライバシー団体などから激しい反発を受け、マーク・ザッカーバーグ氏はFacebookの公式ブログ上で、ユーザーに謝罪した上でこのサービスの承認、拒否をユーザーに逐一確認する仕様に変更をしましたが、コカコーラやいくつかの参加を表明していた企業、ブランドがFacebook Beaconの採用を取りやめる事態に陥り、今後の展開に暗雲が立ちこめる状態となってしまいました。
もちろん、SNSで登録している友人がどんなものに興味を持ったり、買い物、食事をしたりというのを知れるというのは、自分が行動、購入をする際にとても参考になるものですし、SNS内外の行動データを利用し、よりその商品を求めているユーザーに直接、広告を出せるというのは企業側にとっても、歓迎されるシステムです。
Facebookとしては、この画期的な広告システムで、今まで以上にユーザーの利便性を図り、またそれを収益に結びつけようという考えだったのでしょうが、GoogleのOpenSocialへの対抗意識が強すぎたのか、ユーザーの承認を得るというサービスの基本的な部分をおざなりにしてしまい、逆にユーザーの反感を買ってしまう結果となってしまったようです。
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