定期預金は、「しばらく使わないお金を預ける」のに適しています。でも、急にまとまったお金が必要になることもあります。
67歳のE子さんは、老後資金になるべく手をつけないよう、3年ものや5年ものなど、期間の長い定期預金にお金を預けていました。
ところがある日、自宅の屋根から雨漏りが発生。修理の見積もりは150万円でした。「定期預金を崩さなければ」と考えたことをきっかけに、定期預金の使い方を改めて考えることになりました。

「定期預金は、なるべく高い金利を選びたい」が裏目に……
E子さんは、定期預金が途中で解約できること自体は知っていました。それでも、自分の性格を考えると、「高い金利のものに預ければ、途中で解約することはない。満期まで置いておけるだろう」と考えていました。
そこで、普通預金には100万円を生活防衛資金として残し、それ以外のまとまったお金を、3年ものや5年ものの定期預金に預けました。長めの期間を選んだ理由は、金利が高かったからです。1年ものにすると、1年後に「旅行に行こう」「家電を買い替えよう」と、つい使うことを考えてしまいそうだったからです。
「100万円あれば、急な出費にも何とか対応できるだろう」。そう考えていたE子さんですが、自宅の屋根の修理費が150万円と分かり、普通預金だけでは足りないことが分かりました。
●中途解約した場合、金利はどうなる?
定期預金は、満期前でも解約できます。ただし、その場合は満期まで預けたときに適用される約定金利ではなく、金融機関や商品ごとに定められた中途解約利率・期日前解約利率が適用されます。
つまり、途中で解約しても預けた元本そのものが減るわけではありません。ただし、満期まで預けた場合より、受け取れる利息は少なくなります。
「満期まで置いておけば、このくらい利息がつくと思っていたのに……」。E子さんは、自分の性格を考えて長めの期間を選んだものの、今回はそれが裏目に出てしまったと感じました。
3年満期の300万円を解約。E子さんが反省したこと
修理費150万円のうち100万円は普通預金から出せますが、残る50万円を用意する必要があります。ところが、E子さんが預けていた300万円の定期預金は、一部解約に対応していませんでした。そのため、50万円を用意するために、300万円全額を中途解約することになったのです。
そのとき、「全部を1つにまとめるのではなく、分けておけばよかった」と思ったそうです。例えば300万円を100万円ずつ3本に分けておけば、まとまったお金が必要になったとき、必要な分だけ解約するという方法も考えられます。
E子さんは、「金利が高いから」という理由だけで預ける期間を決め、途中でお金が必要になる可能性まで考えていなかったと反省しました。
なお、定期預金によっては一部だけ解約できるものもあります。一部解約の可否や方法は金融機関・商品によって異なるため、預ける前に確認しておきましょう。
「使うかもしれないお金」は最初から分けておく
E子さんが今回、改めて考えたのが、お金を3つに分けて管理することです。
①生活防衛資金
半年~1年程度の生活費を目安に、突発的な支出に備えるお金
②数年以内に使う予定のお金
家の修繕、自動車の買い替えなど、使う時期がある程度決まっているお金
③当面使わないお金
5年以上、使う予定のないお金
E子さんは、生活防衛資金として普通預金に100万円を置いていました。毎月の生活費は約18万円なので、100万円は約5.5カ月分です。急な家電の買い替えや慶弔費などがあれば、ここから出せばいいと思っていました。
しかし、今回のように住宅の修理費がまとまって必要になることもあります。屋根については、「いずれ修繕が必要になるかもしれない」と考えてはいたものの、具体的な金額を準備するところまではしていませんでした。その矢先に雨漏りが起こり、定期預金を取り崩すことになったのです。「まとまって必要になりそうな出費を、あらかじめ整理しておくべきだった」と、E子さんは振り返ります。
金利だけでなく、使う時期まで考えて預ける
今回の経験から、E子さんは「定期預金は、金利だけを見て預けるものではない」と実感しました。一般的に、長く預ければ金利は高くなりますが、その間にまとまったお金が必要になる可能性もあります。
そこで、これからは数年以内に使う予定のお金も含めて、50万~100万円単位で定期預金を複数に分けておくことにしました。何もなければ満期まで置いておけますし、途中で必要になったときは、必要な分だけ解約すればよいと考えたからです。
「このお金は、いつ使うのか」まで考えて、預ける期間や金額を決める。昨今は定期預金の金利が魅力的になっていますが、金利の高さだけでなく、お金を使う時期や途中で必要になる可能性まで考えて預けることが大切だと、E子さんは実感したそうです。







