老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、64歳から65歳まで厚生年金に加入してパートで働いた場合、将来の老齢厚生年金がどのくらい増えるのか知りたい方からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
Q:64歳、月収11万円のパートを65歳まで続けます。老齢厚生年金はいくら増える?
「現在64歳の主婦です。あと1年間は月収11万円ぐらいでアルバイトを続けたいと思っています。厚生年金にも加入していますが、65歳まで働いたら、将来もらえる老齢厚生年金はどのくらい増えるのでしょうか?」(64歳・パート)

A:1年間働くと、老齢厚生年金は年額約7235円(月額約603円)増える計算です
日本の公的年金制度は、国民年金(1階部分)と厚生年金(2階部分)の「2階建て」で構成されています。会社員や一定の要件を満たすパート・アルバイトなどは厚生年金に加入し、将来は老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされて受け取れます。
老齢年金の受給額の計算方法は、老齢基礎年金と老齢厚生年金で異なります。
国民年金から支給される老齢基礎年金は、収入金額にかかわらず、20歳から60歳になるまでの保険料納付済期間や免除期間などをもとに計算されます。
一方、厚生年金から支給される老齢厚生年金は、厚生年金に加入した期間と、その間の給与や賞与(標準報酬月額・標準賞与額)をもとに計算されます。
老齢厚生年金の報酬比例部分は、厚生年金に加入していた時期によって、次のように計算式が分かれています。
a:平成15年3月以前の加入期間
平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入期間の月数
b:平成15年4月以降の加入期間
平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入期間の月数
※昭和21年4月1日以前生まれの人については、給付乗率が異なります。
今回の相談者が64歳から1年間、月収11万円でパートとして厚生年金に加入した場合について計算してみましょう。平成15年4月以降の加入期間となるため、上記「b」の計算式を用います。ここでは平均標準報酬額を11万円として試算します。※経過的加算は考慮しません。
11万円×5.481/1000×12カ月≒7235円
したがって、64歳から平均月収11万円でパートとして厚生年金に1年間加入すると、老齢厚生年金は年額約7235円(月額約603円)増える計算になります。
「1年間働いても月600円程度しか増えないの?」と感じるかもしれません。ただし、老齢厚生年金は原則として生涯受け取る年金です。働いて給与を受け取りながら厚生年金に加入することで、将来受け取る年金額も少しずつ増やすことができます。
相談者のように「あと1年間は働きたい」と考えているのであれば、体調や生活とのバランスも考えながら、無理のない範囲で仕事を続けていくとよいでしょう。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






