老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、大病を経験し、元気なうちに旅行を楽しみたいと考えている方からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
Q:9年前に大病を経験しました。年金生活ですが、体力があるうちに旅行へ行ったほうがよいのでしょうか?
「66歳、妻と2人暮らしです。9年前に大病を経験し、現在は夫婦で月27万円ほどの年金で生活しています。病気をしてからは『元気なうちに旅行へ行っておきたい』という気持ちが強くなりました。一方で、老後資金には限りがあるため、旅行にお金を使ってよいのか迷っています。年に2~3回ほど近場への旅行を考えていますが、旅行へ行くたびに貯蓄が減ることを思うと不安です。老後は貯蓄を優先したほうがよいのでしょうか。それとも、体力のある今のうちに旅行を楽しんだほうがよいのでしょうか。現在の貯蓄は約1000万円あります」(H・Tさん)

A:老後資金を守りながら、体力のある今だからこそできる旅行も大切にしましょう
9年前に大病を経験されたことで、「元気なうちに夫婦で思い出をつくりたい」と感じるようになったお気持ちは、とても自然なことです。一方で、「老後資金を減らしてしまって大丈夫だろうか」と不安になるのも当然でしょう。
現在は、夫婦で月約27万円の年金を受け取り、約1000万円の貯蓄もあるとのことです。日常生活が年金収入の範囲でおおむね賄えているのであれば、年2~3回程度の近場への旅行は、家計への影響を確認しながら十分検討できるでしょう。
大切なのは、「貯蓄を使うか、旅行を我慢するか」の2択で考えないことです。例えば、毎年の旅行に使う予算をあらかじめ決めておけば、「この範囲なら安心して楽しもう」と考えやすくなります。
また、医療費や介護費など、将来に備えて残しておきたい資金は別に確保しておくと、旅行中も「使い過ぎてしまったのでは」と心配する気持ちを減らせます。必要な備えを残したうえで、残りのお金を「夫婦で思い出をつくるためのお金」と考える方法もあります。
旅行は、単なる娯楽ではありません。気分転換になったり、夫婦で同じ時間を過ごしたりすることは、心身の健康にもつながります。特に60代後半から70代前半は、体力的にも比較的旅行を楽しみやすい時期です。
もちろん、将来への備えは大切ですが、お金は使うために蓄えてきたものでもあります。H・Tさんのように大病を経験された方にとって、「元気な今だからこそできること」にお金を使うことも、老後資金の大切な使い方ではないでしょうか。
ご夫婦で旅行の計画を立てながら、「安心のためのお金」と「楽しみのためのお金」を上手に分けて考えることで、不安を抱え過ぎることなく、充実した老後を過ごせるでしょう。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






