ゆうちょ銀行は、一般的な銀行の普通預金にあたる「通常貯金」の金利を、2026年8月10日から「年0.4%」へ引き上げます。また、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンクも、8月3日から普通預金金利を年0.4%へ引き上げます。
一方、銀行の中には、これより高い普通預金金利を提示しているところもあります。今回は、生活防衛費をどこに預けるかという観点から、ゆうちょ銀行とネット銀行の金利を比較してみましょう。

生活防衛費とは?なぜ準備が大切なのか
生活防衛費とは、突然の失業や病気、家の修理などの緊急事態に備えるお金のことです。
多くの人は「給料が入ったら、そのお金で生活する」という毎月のサイクルで暮らしています。しかし、予期しない事態が発生することもあります。例えば、会社をリストラされた、大きな病気で入院した、自動車が故障した。こうした状況になっても、生活が立ちゆくように、あらかじめお金を準備しておく必要があるわけです。
一般的には、会社員であれば3~6カ月分の生活費、個人事業主であれば1年分の生活費があると安心だとされています。月の生活費が30万円であれば、会社員は90万~180万円、個人事業主は360万円を目安にしておくとよいでしょう。
生活防衛費を準備する際の大切なポイントは、「いつでも引き出せること」。定期預金は途中で解約すると中途解約利率が適用され、予定していた利息を受け取れないことがあります。だからこそ、生活防衛費は「普通預金」に置いておくのが基本なのです。しかし、単に「いつでも引き出せる普通預金なら、どこでもいい」と考えるのは、もったいないのです。
「いつでも引き出せる」+「高金利」を実現するネット銀行
金利が上昇している現在、金融機関によって普通預金の金利に大きな差が生まれています。ゆうちょ銀行やメガバンクが年0.4%である一方、ネット銀行の中には年0.8%や年1.0%といった高い金利を提示しているところもあります。
生活防衛費として200万円を1年間預けた場合、この金利差がどれほどの差になるのか、実際に計算してみましょう。なお以下は、金利・残高が1年間変わらなかった場合の単純計算です。受取利息には一律20.315%の税金がかかります。
●あおぞら銀行「BANK口座」
あおぞら銀行のBANK口座は、普通預金の金利が最も高い選択肢の1つです。ただし、残高に応じて金利が変動します。金利は2026年7月時点。
【普通預金】
・金利:100万円までは年1.0%、100万円を超える部分は年0.65%
・200万円を1年間預けた場合の受取利息(税引き後):約1万3149円
●島根銀行スマートフォン支店「しまホ!」
島根銀行のスマートフォン支店は、地方銀行ながら全国どこからでも、スマートフォンアプリで口座を開設できます。普通預金の金利は安定して高水準です。金利は2026年7月時点。
【普通預金】
・金利:年0.8%
・200万円を1年間預けた場合の受取利息(税引き後):約1万2750円
●PayPay銀行「ステップアップ円預金」
PayPay銀行の普通預金は、残高と年齢に応じて金利が変わる仕組みになっています。
【普通預金】※2026年8月1日から適用
・金利:30歳以上で残高200万円以上は年0.6%、さらに年0.1%相当のPayPayポイントが付与される(実質年0.7%相当)。ポイント付与(年0.1%)は預金残高500万円を適用上限
・200万円を1年間預けた場合の受取利息(税引き後):約9563円
※PayPayポイント分を加えると、さらに1594円程度のポイント付与(ポイントにも税金がかかります)
●ゆうちょ銀行の通常貯金(メガバンクと同等)
・金利:年0.4%(2026年8月10日から)
・200万円を1年間預けた場合の受取利息(税引き後):約6375円
200万円で最大約7000円の差!
200万円を1年間預けた場合の税引き後利息を比較すると、以下のようになります。
・あおぞら銀行(100万円まで年1.0%、超過分は年0.65%):約1万3149円
・島根銀行「しまホ!」(年0.8%):約1万2750円
・PayPay銀行(年0.6%):約9563円+ポイント
・ゆうちょ銀行(年0.4%):約6375円
ゆうちょ銀行とあおぞら銀行では、年間で約7000円の差が生まれます。1年間では大きな差に感じないかもしれませんが、同じ金利が続けば3年間で約2万円の差になります。預け先を見直すだけで、より多くの利息を受け取れる可能性があるのです。
生活防衛費をどこに置くか、見直してみよう
生活防衛費は、急な出費に備えるお金なので、いつでも引き出せる普通預金で管理するのが基本です。
金利が上昇した現在は、銀行によって普通預金の金利に差が生まれています。生活防衛費のように長期間使わない可能性が高いお金であれば、高金利の普通預金を選ぶことで、利便性を保ちながら、より多くの利息を受け取ることができます。
生活防衛費は使わないことが理想のお金だからこそ、「どこに預けるか」にも目を向けてみるとよいでしょう。







