
行列のできる店や家電量販店の売り場、テレビCM……。何気ない日常の風景の中にこそ、投資のヒントは隠されていると杉村太蔵さんは言います。証券マン時代に先輩から教わったのは、ヒットの裏にある「なぜ売れているのか」を自分の足と目で確かめることの大切さでした。
『杉村太蔵の推し株「骨太」投資術』では、元国会議員、コメンテーターを経て投資家としても活動する杉村さんが、自らの経験をもとに独自の投資哲学を語っています。
今回は本書の中から一部抜粋し、身近なトレンドの観察を通じて、企業の強みや本質的な成長の兆しをロジカルに読み解く「太蔵流・現場観察術」を紹介します。
行列に並ばない奴は投資家に向いていない
私が投資家視点として多大なる影響を受けた言葉として、「行列に並べ」というものがあります。
ある日、先輩社員とランチに出かけたら、ものすごい行列の定食屋がありました。そこはいつも混んでいて、私などは並ぶのは大嫌いな性格でしたので、絶対に避けていました。そんな行列の横を通りすぎたあたりで、私が「あそこ、いつも行列ですね。何がそんなにうまいんですかね?」なんて、なにげなく話したらその先輩は「おまえ、そう思っていながら、食べたことないの?」と聞くんです。私が「そりゃそうですよ。あんなに並ぶなんて冗談じゃないですよ」こういったら「おまえ、証券マン、向いてないわ」と言われました。
証券マンというのは、行列ができたら真っ先のその最後尾にならんで、どんな年齢層の客層なのか? そして、実際にその店に入ってお客は何を求めているのか? それを自分なりに徹底的に分析することが非常に重要だというんですね。
なぜ今、この商品が売れているのか? なぜこのサービスを多くの人が求めているのか? こうした視点を常にもって社会と対峙することが極めて重要だということを熱くご指導いただきました。本当にこの言葉は私の胸に刺さりましたし、刺さったまま今日に至っています。
量販店の「エスカレーター前」は勝負棚
似たような話としては、ビックカメラでもヨドバシカメラでもどこでもいいのですが、「エスカレーターを降りて最初に目につく陳列商品は要チェック」というのもあります。つまり、そこがもっとも売れ筋のものを置いていることが多いというのです。
もちろん、商品によっては、そうではないケースもあるかもしれませんが、量販店にとってエスカレーター前は勝負棚だというのです。そこには今もっとも売れている商品をラインナップする傾向にある。だったら、投資家はせめてそこに何が置かれているのか、それを少なくとも毎月見にいかなければダメだというわけです。つまり、定点観測の重要性ですね。
投資家なら「テレビCMをよく見ろ!」
また、「CMをよく見ろ!」というのもありましたね。今はテレビに出演させていただいているので、そんなことは口が裂けても言えないわけですが、当時はテレビのCMといったらトイレタイムくらいにしか思っていませんでした。
でも、私の先輩は投資家ならCMは要チェックだというのです。特に新商品の新CMは絶対にチェックしろと。なぜならば、各社社運をかけてCMを打ち、もしその新商品が大ヒットすれば間違いなく株価に影響します。つまり、CMに流れた新商品が大ヒットするか、しないか、それを正確に予測できる人間は超一流投資家だというわけです。
著者:杉村 太蔵(元政治家、投資家)
1979年8月13日、北海道旭川市出身。2004年3月筑波大学中退。派遣社員から外資系証券会社勤務を経て、2005年9月衆議院議員選挙当選。現在、テレビ・ラジオ・雑誌などメディアで活動する一方、派遣社員から国会議員、落選して無職からタレントに転身するなど、自身の経験を交えながら語る政治・経済をテーマとした講演活動を全国で行う。






