奨学金は「卒業して終わり」ではない
大学進学率の上昇に伴い、奨学金を利用する人は珍しくなくなりました。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を利用した経験がある人も多いでしょう。実際、大学卒業後も返済を続けている人は少なくありません。

社会人になって数年たつと、毎月の返済が当たり前になり、「今どのくらい残っているのか分からない」という人もいます。ところが金利が動き始めると、奨学金の仕組みを改めて確認する必要が出てきます。
まず知っておきたいのは、奨学金には大きく分けて第一種と第二種があることです。第一種は無利子ですが、第二種は有利子です。そのため、利上げの影響を受ける可能性があります。
480万円借りた場合、返済額はどう変わる?
第二種奨学金で480万円を借り、20年間で返還するケースを考えてみましょう。金利水準や返済期間によって異なりますが、利率が高くなるほど支払う利息も増えます。
日本学生支援機構(JASSO)が公表している、貸与総額480万円を20年間で返還する例では、適用利率が年0.5%の場合の返還総額は約505万7000円(利息約25万7000円)、年1.0%では約532万1000円(利息約52万1000円)となっており、適用利率が0.5%から1.0%になると、返還総額は約26万円増える計算です。
奨学金の場合、住宅ローンのように返済額への影響が大きいケースは多くありません。それでも、長期間返済を続ける以上、金利の影響がゼロというわけではありません。特に現在返済中の人よりも、これから進学を控える家庭にとっては気になるポイントでしょう。
第二種奨学金の金利はどう決まる?
第二種奨学金には「固定方式」と「見直し方式」があります。固定方式は貸与終了時に決まった金利が返済終了まで続きます。
一方、見直し方式はおおむね5年ごとに金利が見直されます。利上げ局面では見直し方式の方が影響を受ける可能性がありますが、その分、金利低下局面では負担が軽くなることもあります。
また、第二種奨学金には上限金利が設定されています。住宅ローンのように際限なく金利が上昇する仕組みではありません。そのため、過度に心配する必要はありませんが、自分がどちらの方式を選択しているかは確認しておきたいところです。
親世代も知っておきたいテーマ
奨学金というと若い世代の話と思われがちです。しかし、実際には高校生や大学受験生の子どもを持つ親世代にとっても重要なテーマです。
大学進学には学費だけでなく、住居費や生活費もかかります。奨学金を利用するかどうかは、多くの家庭にとって現実的な選択肢になっています。
だからこそ、金利が上昇する局面では「どのくらい借りるのか」「卒業後の返済負担はどの程度か」を事前に考えておくことが大切です。
まずは自分の契約内容を確認してみよう
現在返済中の人は、自分が第一種なのか第二種なのか、固定方式なのか見直し方式なのかを確認してみましょう。毎月返済していても、契約内容を詳しく覚えていない人は意外と多いものです。
金利上昇局面では、預金の利息が増える人もいれば、借り入れの負担が増える人もいます。奨学金もその1つです。
住宅ローンほど大きな影響ではないかもしれませんが、長期間にわたって返済が続くお金だからこそ、一度内容を確認しておく価値はあります。利上げのニュースを機に、自分や家族の奨学金について見直してみてはいかがでしょうか。







