Q. コストコでO157食中毒が発生したそうですが、お総菜でも感染リスクがあるのでしょうか?

Q. 「コストコのハイローラーでO157の食中毒が起きたというニュースを見ました。身近なお店ですし、お子さんが重症と聞いてとても不安です。お総菜は加熱せずに食べることも多いと思うのですが、O157のような怖い食中毒の感染リスクは実際に珍しくないのでしょうか? 何か気をつけられることがあれば知りたいです」
A. O157は感染力が強く、子どもや高齢者は重症化リスクも。安全を過信しないことも大切です
2026年6月、名古屋市守山区のコストコ守山倉庫店で販売されたお総菜「ハイローラー(B.L.T)」を食べた7歳~49歳の男女5人が下痢・腹痛などを訴え、全員の便から腸管出血性大腸菌O157が検出されたと報じられました。17日現在、5人のうち3人が入院し、10歳未満の男児が溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症して重症化するという深刻な事態になっています。
この事案が示す通り、O157は「お総菜」という身近な食品からも感染する可能性があります。なぜこれほど危険なのか、O157の3つの特性を正しく理解しておくことが大切です。
1つ目は、圧倒的な感染力の強さです。多くの食中毒菌が発症には100万個程度の菌数を必要とするのに対し、O157はわずか100個程度という少量でも感染が成立します。そのため、見た目やにおいで「異常なし」と判断しても、菌が付着していれば感染するリスクがあります。
2つ目は、低温への強さです。O157は土や水の中で数週間から数か月にわたって生存でき、冷蔵庫の中でも死滅しません。「冷蔵保存していたから安心」という判断は通用しないのです。
3つ目は、ベロ毒素の産生です。O157が腸内で産生する「ベロ毒素」は腸管の血管を破壊し、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症を引き起こすことがあります。HUSは腎臓などへの重大なダメージをもたらし、最悪の場合、死亡に至ることもある病気です。子どもや高齢者に多く、今回のコストコの事案でも、10歳未満の男児がこのHUSを発症しています。
O157に感染すると4~8日程度の潜伏期間を経て、激しい腹痛・下痢・血便が現れます。多くの大人は5~10日程度で自然に回復しますが、下痢の症状が出てから多くは5~7日後に溶血性尿毒症症候群や脳症などの重篤な合併症を起こすことがあります。そのため、心当たりがある食品を食べてしまった場合、2週間ほどは十分な注意が必要です。もし下痢や血便の症状が出たら早めに医療機関を受診しましょう。尿が出ない、意識がなくなるなどの症状が出た場合は、決して様子見はせず、速やかに受診してください。
O157は75℃で1分以上の加熱によって死滅します。お総菜や生野菜の場合も、調理の段階から食べるまでに、「食中毒予防の3原則」を十分に守ることが重要です。
■食中毒予防の3原則
- つけない……調理前後の手洗いを徹底し、肉を触った手や調理器具で他の食品を扱わない
- 増やさない……お総菜・調理済み食品はすぐに食べるか、低温で適切に保存する
- やっつける……食肉は中心部まで75℃・1分以上しっかり加熱する
「見た目が普通だから大丈夫」「有名なお店の食品だから安心」という思い込みは禁物です。今回の事案の原因はまだ明らかにされていませんが、加熱できるものは再加熱することも予防に役立ちます。特に小さなお子さんや高齢者との食事では、市販のお総菜の取り扱いも十分注意するようにしましょう。
さらに詳しく知りたい方は、「O157以外も危険!病原性大腸菌の症状・種類・対策法」をあわせてご覧ください。







