老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、「老齢年金と遺族年金で手取り額に差が出る理由」について解説します。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
Q:長年、厚生年金を払ってきたのに、遺族年金より手取りが少ないのはなぜですか?
「自分の老齢年金には所得税や住民税、国民健康保険料、介護保険料などがかかり、遺族年金を受け取っている人より可処分所得が少なく感じます。長年、厚生年金を払ってきたのに、なぜ遺族年金は非課税なのでしょうか。納得できません」(りんごほっぺちゃんさん)

A:遺族年金は「生活保障」の性格が強いため、税金がかからない仕組みになっています
老齢年金と遺族年金は、どちらも公的年金ですが、制度の目的が異なります。
遺族年金は、生計を支えていた人を亡くした遺族の生活を支えるための給付です。そのため、税法上も「生活保障」として位置付けられており、所得税や住民税は課税されません。
一方、老齢年金は老後の生活を支えるための所得として扱われます。公的年金等控除はあるものの、一定額を超えると所得税や住民税の課税対象になります。
このように、両者は同じ年金でも制度の目的が異なるため、税制上の扱いにも違いがあるのです。
また、老齢年金は所得として扱われるため、税金だけでなく、国民健康保険料や介護保険料などの負担もあり、年金額が増えると健康保険料や介護保険料の負担が増える場合があります。
一方、遺族年金は非課税所得であるため保険料の負担も抑えられます。結果として額面の年金額が同程度であっても、老齢年金を受給している人のほうが、実際の手取り額は少なくなることがあります。
長年、厚生年金保険料を納めてきた人にとっては不公平に感じるかもしれませんが、遺族年金は「老後の所得」ではなく、「遺族の生活保障」という役割を担う制度です。そのため、税制上も異なる扱いになっているのです。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






