老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、60歳から老齢年金を受け取れるのか知りたい方からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
Q:1972年2月生まれですが、60歳から老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取ることはできますか?
「1972年2月生まれの男性です。マイナポータルでは65歳から月17万円程度の年金と表示されています。60歳になったら、老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取ることはできるのでしょうか?」(こらさん)

A:繰り上げ受給を利用すれば60歳から受け取れますが、年金額が減るなどのデメリットがあります
老齢年金は原則として65歳から受け取ります。一方、生年月日や性別、厚生年金の加入期間など一定の条件を満たす人は、65歳になる前から「特別支給の老齢厚生年金」を受け取ることができます。しかし、1972年(昭和47年)2月生まれの男性は、この制度の対象外です。そのため、通常であれば65歳から老齢年金を受け取ることになります。
ただし、老齢年金は希望すれば60歳から75歳までの間で受給開始時期を選ぶことができます。60歳から受け取るには「繰り上げ受給」の手続きが必要です。
1962年(昭和37年)4月2日以降生まれの人が60歳ちょうどで繰り上げ受給をすると、65歳までの60カ月分を前倒しすることになるため、年金額は1カ月当たり0.4%、最大24%減額されます。
例えば、マイナポータルに表示されている65歳からの年金額が月17万円の場合、60歳から繰り上げ受給すると、
17万円×(1-0.24)=約12万9200円
となり、受け取れる年金額の目安は月額約12万9200円になります。
なお、繰り上げ受給を選ぶ場合は注意点もあります。一度決まった減額率は一生変わらず、後から取り消したり変更したりすることはできません。また、老齢基礎年金だけ、あるいは老齢厚生年金だけを繰り上げることはできず、両方を同時に繰り上げることになります。さらに、繰り上げ受給後に重い病気やけがで障害の状態になった場合は、事後重症などによる障害基礎年金を請求できなくなる場合もあります。
60歳から年金を受け取ることは可能ですが、受給額が一生減額されることになるため、働く予定や健康状態、老後資金なども踏まえたうえで、慎重に判断することが大切です。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






