もはやデフレではない
日本の金利をコントロールする日本銀行(日銀)が段階的に利上げを行ったことから、銀行の定期預金金利が上昇しています。これに合わせて、これまで年0.002%程度だった普通預金金利も引き上げられ、「預金にもようやく利息が付く時代が戻ってきた」と感じている人も多いのではないでしょうか。「デフレ」の時代が終わり「インフレ」の時代が到来したのです。

確かに、預金金利が上昇すること自体は歓迎すべき変化です。預金は元本保証があり、預金保険制度によって1金融機関当たり元本1000万円までとその利息が保護される仕組みもあります。そのため、生活費や緊急時の資金を保管する場所としては非常に優れています。
物価上昇でお金の価値が目減りする?
しかし、注意したいのが「物価上昇」です。例えば、定期預金の金利が年0.5%だったとしても、物価が2%上昇していれば、実質的にはお金の価値が目減りしていることになります。銀行口座の残高は増えていても、同じ金額で買える商品やサービスが減ってしまうためです。
これを「実質金利」と呼びます。預金金利から物価上昇率を差し引いたもので、物価上昇率のほうが高ければ実質的にはマイナスになります。では、預金は意味がないのでしょうか。
決してそうではありません。預金には「安全性」という大きな役割があります。例えば、急な病気や失業、住宅修繕など、すぐに使う可能性のあるお金は預金で保有しておくことが基本です。
金利上昇局面で注目の個人向け国債
一方で、数年先まで使う予定のない資金については、別の選択肢を検討する考え方もあります。代表例が個人向け国債です。個人向け国債は国が発行する債券で、元本保証があり、半年ごとに利息を受け取ることができます。特に「変動10年」は市場金利の上昇に応じて受取利息も見直されるため、金利上昇局面では注目されやすい商品です。
また、投資信託や高配当株などを活用して資産の一部を運用するという選択肢もあります。ただし、これらは価格変動リスクがあるため、生活資金まで投資に回すのは避けるべきでしょう。
大切なのは、「預金か投資か」という2択で考えないことです。生活費や緊急資金は預金で確保し、長期間使わないお金は国債や投資信託などに分散するという考え方が現実的です。
物価高が続く時代だからこそ、「安全性」と「増やす力」の両方を意識しながら、自分に合った資産の置き場所を考えてみてはいかがでしょうか。







