老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、日本年金機構から届いたハガキの内容が分からず放置していた場合、今の年金額が増える可能性があるのかについて解説します。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
Q:70歳です。日本年金機構から届いたハガキを放置していましたが、今の年金額が増える可能性はありますか?
「今年2月に70歳になります。年金は62歳から受給しています。以前、日本年金機構から老齢年金に関するハガキが届いていましたが、専門用語が多く、意味がよく分からないまま放置していました。今の年金額より増える可能性があるなら、内容を知りたいです」(トシユキさん)

A:内容によっては、今より年金額が増える可能性があります。特に「65歳以降の年金を請求していない場合」は大きく増えるケースもあります
トシユキさんは62歳から年金を受け取っているとのこと。トシユキさんが男性と想定して回答いたしますと、受け取っていたのは「特別支給の老齢厚生年金」の可能性があります。
特別支給の老齢厚生年金は、男性では昭和36年4月1日以前生まれの人などが、生年月日に応じた年齢から受け取れる年金です。65歳になると、老齢基礎年金と本来の老齢厚生年金を受け取るための手続きが必要になります。日本年金機構では、65歳になる誕生月の初めごろに「年金請求書」を送る案内をしています。
もし65歳以降の老齢基礎年金や老齢厚生年金をまだ請求していない場合は、年金額が増える可能性があります。老齢基礎年金と老齢厚生年金は、66歳以後75歳まで繰り下げ受給ができ、繰り下げた期間に応じて年金額が増額されます。ただし、昭和27年4月1日以前生まれの人などは繰り下げの上限が70歳までで、増額率は最大42%です。75歳まで繰り下げた場合は、増額率は84%になります。また、特別支給の老齢厚生年金そのものには繰り下げ制度はありません。
一方で、繰り下げをしていなかった場合でも、65歳からの年金は請求によって過去にさかのぼって受け取れることがあります。ただし、請求が遅れると5年を過ぎた分は時効により受け取れなくなる場合があるため注意が必要です。
また、65歳以降も厚生年金に加入して働いていた場合は、「在職定時改定」によって年金額が毎年見直され、増額されることがあります。9月1日時点で厚生年金に加入していれば、前年9月から当年8月までの加入実績がその年の10月分の年金額から反映されます。
そのため、日本年金機構から届いていたハガキは、65歳からの年金請求の案内や、繰り下げ受給の確認、あるいは年金額改定に関する重要なお知らせだった可能性があります。
放置していると、本来受け取れるはずの年金を受け取れないままになる可能性もあるため、できるだけ早く年金事務所やねんきんダイヤルで内容を確認することをおすすめします。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






