自分の目的にあったトリートメントをカスタムメイドしてもらうディスティネーション・スパ |
近頃増えているディスティネーション・スパ
近頃、リゾート紹介でよく耳にする「ディスティネーション・スパ」。
よく“滞在型スパ”と訳されていますが、今いちピンとこないという方も多いのでは。とらえ方が諸説あるので、断言はできないのですが、ワタシなりに考えてみました。
目的をかなえるためのディスティネーション・スパ
温浴・水浴をベースとした施設を持つのも特徴のひとつ。写真は水中ストレッチのワツ |
ディスティネーション・スパでいう“ディスティネーション”とは、“目的”の意味。ダイエットやデトックス、禁煙などの目的を達成するために、滞在する「目的指向型」のスパのことをディスティネーション・スパといいます。
ただ、リゾートに滞在してトリートメントを受けるだけではなく、“目的”があって、それにぴったりのトリートメントを受け、食事も含めてトータルに健康な状態を目指す、といったところでしょうか。
もともとは英国のヘルス・ファームが起源
ディストネーション・スパの原型は、イギリスで生まれた滞在型の高級健康増進施設“ヘルス・ファーム”とされています。これは都会から離れ、自然に包まれた環境のなか、長期滞在をしながら、美容と健康の増進を図るための施設です。都会の誘惑(?)を断ち切り、目的に則したトリートメントやプログラムに意識を集中させるのが狙い。また、ヘルス・ファームでは専属のトレーナーのコンサルティングのもと、水泳やテニス、ヨガなどのエクササイズを行うこともできます。そして多くのヘルス・ファームではバスやサウナなど、水の効能を生かしたトリートメントやプログラムを行っているのも特徴。
塩や油を控えめにしたスパ・キュイジーヌで体内からもキレイに |
ヘルス・ファームの概念はやがて、アメリカへと渡っていきました。アメリカでは厳しい食事制限や激しいエクササイズによる“ダイエット”を主眼に置き、名前も“ファット・ファーム”と呼ばれるようになりました。そして時代の流れとともに、その手法もソフトになり、美味しいダイエット・メニューや効率の高いエクササイズを行うようになり、1980年代に“ディスティネーション・スパ”が確立されました。
トリートメントのみならず、ヨガなどエクササイズをとりいれているところも |
現在のディスティネーション・スパでは、温浴や水浴に加えて、フェイシャル、ボディ、ダイエット、各種エクササイズ、ヨガ、気功、鍼灸、アーユルヴェーダなど、さまざまな施術や伝統的な療法などを組み込んでいるところもあります。
また、目的にあったトリートメントをカスタムメイドしてもらうための、コンサルティングがあることが、ポイントなのではという意見も。
ディスティネーション・スパで自分の目的(ダイエットやデトックスなど)を達成するために集中する休日。ストレスの多いご時勢ゆえの、求められるバカンス・スタイルですね。
資料:日本スパ振興協会『スパ ベーシックブック』
写真:チバソム(『トラベル+レジャー』誌の2006年の世界のベスト・ディスティネーション・スパに選出)