あるとき、1億円を貯めた方が「これから海外旅行へ行く」と話されていたのですが、手にしていたのは年季の入ったスーツケースでした。「就職してすぐに買って、ずっと修理しながら使っている」と笑うその姿に、モノに対する姿勢がよく表れていました。
今回は、私が営業職のときに出会った、堅実に資産を築いた方に共通する3つの在り方をお届けします。
共通点1:自分の「納得」で選ぶ
彼らは、流行や世間の評価よりも「自分が納得できるかどうか」を唯一の尺度にして物事を選びます。たとえ世間で「持つべき」とされる高級品を勧められても、安易に手を出すことはありません。「今の自分にとって、それだけの価値があるか?」と静かに問い直し、必要がないと判断すれば、周囲の目に惑わされることなく見送ります。それは決してケチや我慢ではなく、自分の価値観に忠実な生き方そのもの。
この「納得感のある選択」を1つずつ積み重ねているからこそ、見栄のための余計な出費がなく、無理なく自然に資産が守られていくようでした。
共通点2:迎合せず、でも孤立しない
印象的だったのは、人付き合いの距離感です。必要以上に付き合いを広げることはせず、慣習や惰性の誘いにも無理して応じません。でも、冷たいわけではなく、信頼する人との関係は深く温かい。自分の時間やお金を「誰に、どのくらい使うか」が明確なのです。
「迎合しないけれど、人を遠ざけない」。この絶妙な距離感が、心の余裕や判断の冷静さを保つ秘訣(ひけつ)のように感じました。
共通点3:いつも淡々としている
感情に振り回されず、いつも落ち着いている。その姿勢は、長期的な資産形成に欠かせない要素でした。相場の変動や人間関係のトラブルがあっても、「コントロールできること」にだけ集中し、それ以外は自然に流す。だから焦らず、無駄な出費や判断ミスも少ないのです。
「できる準備はする。でも結果は思い通りにならないこともあるよね」。そんな軽やかさが、長い時間を味方につける力になっているようでした。
自律がつくる、穏やかな豊かさ
資産を築いてきた方々の姿から感じたのは、「我慢して貯める」のではなく、「無理なく自分の軸で行動する」ことで結果的にお金が貯まっていくということ。群れるわけでもなく、孤立するわけでもない。「人との距離感」「モノへの向き合い方」「お金の使い方」。そのどれもが静かで、誠実で、自律的でした。
もし今、自分の消費行動や人間関係にモヤモヤしているなら、一度「本当に大切にしたいこと」を問い直してみる。そんな静かな時間が、豊かさへの第一歩になるのかもしれません。








