そのとき、その方から返ってきたのは、ご褒美に対するイメージをくつがえす反応でした。
今回は、そのエピソードから見えてくる「お金持ちが持っている価値観」をお届けします。
「自分を褒める」という不思議な感覚
1億円貯めた方は、私が「ご褒美に○○を食べてきたんです」と話したとき、不思議な表情をされました。そして「ご褒美って、与えられるものだから、できれば誰かからもらいたいな。それを自分で自分にするっていうのは、なんだか新鮮だなあ」と。嫌みではなく、純粋に「自分で自分を褒める」という習慣がなかったようでした。続けて、「頑張ったからって、必ずしも報われるわけではないし、いちいちご褒美だと言ってお金を使っていたら、お金がなくなっちゃうよ」と、冗談めかして笑っていました。
「期待」をしないから、お財布も心も痛まない
自分へのご褒美を行う理由には「これだけ頑張ったんだから、見返り(ご褒美)があって当然」という考えがモトとなっていることがあります。しかし、その方の考え方はもっとドライで、かつ気楽なものでした。「物事は、うまくいけば『御の字』。でも、そうならないことのほうが多いかもしれない。だから、いちいち一喜一憂せずに、淡々としていたい」と。
日々の行いは、ご褒美をもらうための「特別なこと」ではなく、自分の生活をよりよくするための「当たり前」。結果が出ても出なくても、自分のペースを乱さずにいられるほうがよいのだそうです。
「たまにうまくいくから、続けようかな」の軽やかさ
「とはいえ、たまにうまくいくこともあるし。そういうのがうれしくて『明日も続けよう!』って思う。そのくらいの感覚でいると、長く続けられる」とのこと。この言葉を聞いたとき、私は「なるほど」と思いました。 資産形成も仕事も、大きな成功を狙って肩に力を入れるより、できることを楽しみながら細く長く続けるほうが、結局は遠くまで行けるのかもと。自分へのご褒美という強い刺激がなくても、日々の小さな前進を「うれしいこと」と捉えるだけで、心が満たされる。1億円という資産を築く人の「継続力」の秘密を、垣間見た気がしました。
ご褒美がなくても、毎日は回っていく
今回ご紹介したお話は、「ぜいたくを控えよう」という堅苦しい話ではありません。「自分にご褒美をあげなきゃ」と、頑張った自分に対して対価を支払うのをやめてみると、意外と毎日はもっとラクに、淡々と回っていくというお話です。「今日も1日、やるべきことをやれたな」と、静かに自分を認めるだけ。特別なご褒美がなくても、自分の立てた計画が進んでいること自体を喜びにする。そんな軽やかなスタンスでいることが、お金も心も健やかに保つコツなのかもしれません。








