老後破産と孤独が同時に起こりやすい背景には、交際費を削った結果、友人・知人との交流が減ってしまうことがあります。無理に交際費を捻出する必要はありませんが、つながりを保つ工夫(連絡や小さな集まりなど)を続けることが大切です(画像:amanaimages)
いずれも恐ろしいことですが、物価高やインフレ不安は老後にどのような影響を与えるのでしょうか。物価高やインフレ不安は誰にでも不安を抱かせます。そのなかでも収入が限られた老後では、その状況が大きな不安になることもあります。
今回は、物価高やインフレ不安によって「老後破産」と「孤独」を同時に招いてしまう理由がどこにあるのか、元銀行員の筆者と一緒に考えてみましょう。
物価高・インフレ不安が老後不安をかきたてる
物価高とは物価が上昇することであり、インフレとはモノの値段が継続的に上昇してしまい、お金の価値が下がってしまうことを言います。分かりやすく言い換えれば、1つ100円で購入できた商品が、1つ200円になってしまうような状態がインフレです。老後破産とは、手元にあるお金や老後に得られる収入以上の支出が続き、生活が困難になってしまい、家計が維持できない状況に陥ることで自己破産するケースのことです。
老後は年金など、収入が限られてしまうことが多いものです。そこへ物価高や経済状況がインフレにふれることで、「老後に破産してしまうのではないか」と不安になってしまうのも無理はありません。
年齢を問わず働ける可能性は広がっているが、選択肢は限られる
物価が上昇し生活が苦しくなってきたら、節約生活や収入をアップするために行動することが必要です。とはいえ、節約生活には限度があります。住まいの見直し、水道光熱費、食費の見直しなど、固定費の見直しが必要ですが、これらは命を守るために削りにくい支出でもあります。
最近ではミドルやシニア向けの求人が見られるようになっています。しかし、職種や地域が限られている、時給のアップ率が低い、もしくは望めないなど、門戸は開かれているようでいて、現状では狭い面があります。
このような状況下では収入をアップすることは簡単ではなく、「老後破産」という言葉が脳裏をかすめることもあるのではないでしょうか。
孤独になる理由は、経済的な理由が大きい
使えるお金が限られている場合、真っ先に削ることになりやすい支出が交際費です。交際費が減る=友人・知人との交流の場が少なくなる、ということにつながります。最悪の場合、仲間内で孤立してしまうことも考えられます。
物価高やインフレ不安が「老後破産」と「孤独」を同時に招く理由は、この点にあります。
老後破産と孤独を招かないためにできること
老後破産を防ぐためには、老後を迎える前にできるだけ生活コストを抑えておき、老後に限られた収入でも暮らせるようにシミュレーションしておくことがおすすめです。孤独にならないための方法としては、友人・知人との連絡を途絶えさせないこと。最低限、冠婚葬祭の支出はしておくとよいでしょう。
収入アップのために働くかもしれませんが、勤務先のコミュニティーに属することで孤独を回避できることもあります。年齢を重ねて働くことは、収入と孤独回避の一石二鳥の効果があるのです。
無理は禁物ですが、流されているばかりでは思うような未来が手に入りません。自分がどのように行動すればよいのか、じっくり考えてみてはいかがでしょうか?
働いているうちに、やっておきたいことリスト!
老後破産と孤独を避けるために、やっておきたいことを以下にまとめました。老後の家計を一度、ざっくり試算してみる……年金の見込み額と、毎月の固定費(住まい・光熱費・通信費など)を書き出し、収入と支出のバランスを確認しておきましょう。
削りにくい固定費ほど、早めに見直す……老後になってから削りにくい住居費や保険料などは、現役のうちに見直しておくことで、将来の負担を軽くできます。
働く選択肢を「収入」だけでなく「つながり」で考える……年齢を重ねてからの仕事は、収入源であると同時に、人とのつながりを保つ場にもなります。無理のない範囲で選択肢を持っておくと安心です。
交際費をゼロにせず、続けられる形に整える……冠婚葬祭や最低限の交流は、孤立を防ぐための「必要経費」と考え、無理のない範囲で続けられる形を意識しましょう。
物価高やインフレに不安を覚えたときこそ、現状を見直すタイミングです。先延ばしにせず、小さな見直しから始めることが大切です。







