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「無回転シュート」が蹴りやすい!? 本田圭佑選手も着用した“ミズノ”のユニークな特許シューズの秘密(2ページ目)

2026年6月からFIFAワールドカップ北中米大会が開催されますが、実はサッカーのシューズもメーカー間の特許技術争いが熾烈です。そうした中、日本メーカーのミズノは、無回転シュートを蹴りやすいシューズというユニークな特許を取得しています。※画像:筆者作成

藤枝 秀幸

藤枝 秀幸

弁理士 ガイド

弁理士

弁理士・行政書士。IT会社等でのプログラマ・SEとしてのシステム開発等を経て、2009年に当事務所(現:藤枝知財法務事務所)を開業。現在はIT分野やエンタメ分野のクライアント様を中心に契約書業務や知的財産業務を日々行わせて頂いております。

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無回転シュートを蹴りやすいシューズの開発経緯

もともと古くから無回転シュートというものはありましたが、2006年のドイツW杯あたりから一気に注目されるようになりました。このドイツW杯で採用された公式試合球「チームガイスト」は、パネルの数が少なく縫い目も少ない構造のため、このボールで無回転シュートを蹴ると空気抵抗が大きくなり、より軌道がぶれやすいという特徴がありました。

そのため、この頃から無回転シュートを蹴る選手が多くなり、元ブラジル代表のジュニーニョ・ペルナンブカーノ選手や元イタリア代表のアンドレア・ピルロ選手、日本の本田圭佑選手といった選手が無回転シュートを蹴る代表的な選手となりました。

しかし、この無回転シュートを蹴るにはかなりの技術が必要といわれているのですが、ミズノが特許を有するシューズは、プロサッカー選手でなくても無回転シュートを蹴りやすいというものです。

このシューズを開発するにあたりミズノが取り組んだことが、特許文献(特許第4886922号の文献)にいろいろと記載されており非常に興味深いです。

無回転シュートと通常のシュートの違い

まず、一流のサッカー選手(開発に本田圭佑選手が協力しているとミズノのプレスリリースで書かれているため、おそらく本田圭佑選手だと思われます)に、実際に無回転シュートを11回蹴ってもらい、無回転シュートがどのようなものかを分析します。

その結果、ボールの回転数が110rpm(revolution per minute:物体の1分間当たりの回転数)以下になるとボールが空中で不規則なぶれを起こすことが分かったため、ボールの回転数が110rpm以下となるシュートを「無回転シュート」と定義づけます。

次に、一流のサッカー選手を10人集めて、足にセンサを付けた上で無回転シュートを蹴ってもらい、足のどの部分で蹴っているのかを分析します。

その結果、無回転シュートは、図1にあるように足の甲上部のやや内側で、ボールの中心辺りを押し出すように蹴っていることが分かります。
無回転シュートを蹴る足の部位※画像:特許情報プラットフォーム

図1:無回転シュートを蹴る足の部位 ※画像:特許情報プラットフォーム

無回転シュート以外のシュートを蹴る時は、図2のように足のやや前側の部分で蹴るため、明らかに使う箇所が違うことが分かります。
 
通常のシュートを蹴る足の部位※画像:特許情報プラットフォーム

図2:通常のシュートを蹴る足の部位 ※画像:特許情報プラットフォーム

その後、さまざまな検証・実験を経て、ミズノはある1つの方法にたどり着きます。

>次ページ:無回転シュートを蹴りやすいシューズの仕組み
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