無回転シュートを蹴りやすいシューズの開発経緯
もともと古くから無回転シュートというものはありましたが、2006年のドイツW杯あたりから一気に注目されるようになりました。このドイツW杯で採用された公式試合球「チームガイスト」は、パネルの数が少なく縫い目も少ない構造のため、このボールで無回転シュートを蹴ると空気抵抗が大きくなり、より軌道がぶれやすいという特徴がありました。そのため、この頃から無回転シュートを蹴る選手が多くなり、元ブラジル代表のジュニーニョ・ペルナンブカーノ選手や元イタリア代表のアンドレア・ピルロ選手、日本の本田圭佑選手といった選手が無回転シュートを蹴る代表的な選手となりました。
しかし、この無回転シュートを蹴るにはかなりの技術が必要といわれているのですが、ミズノが特許を有するシューズは、プロサッカー選手でなくても無回転シュートを蹴りやすいというものです。
このシューズを開発するにあたりミズノが取り組んだことが、特許文献(特許第4886922号の文献)にいろいろと記載されており非常に興味深いです。
無回転シュートと通常のシュートの違い
まず、一流のサッカー選手(開発に本田圭佑選手が協力しているとミズノのプレスリリースで書かれているため、おそらく本田圭佑選手だと思われます)に、実際に無回転シュートを11回蹴ってもらい、無回転シュートがどのようなものかを分析します。その結果、ボールの回転数が110rpm(revolution per minute:物体の1分間当たりの回転数)以下になるとボールが空中で不規則なぶれを起こすことが分かったため、ボールの回転数が110rpm以下となるシュートを「無回転シュート」と定義づけます。
次に、一流のサッカー選手を10人集めて、足にセンサを付けた上で無回転シュートを蹴ってもらい、足のどの部分で蹴っているのかを分析します。
その結果、無回転シュートは、図1にあるように足の甲上部のやや内側で、ボールの中心辺りを押し出すように蹴っていることが分かります。 無回転シュート以外のシュートを蹴る時は、図2のように足のやや前側の部分で蹴るため、明らかに使う箇所が違うことが分かります。
その後、さまざまな検証・実験を経て、ミズノはある1つの方法にたどり着きます。
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