今回は、個人向け国債「固定3年」と、ネット銀行の高金利「3年満期定期預金」にそれぞれ100万円を預け入れた場合に、3年後どのくらいの利息が得られるのか比較してみましょう。※金利は2025年12月時点。
個人向け国債・固定3年を「金利1.1%」で100万円購入すると、3年後にもらえる利息はいくら?
個人向け国債・固定3年(金利1.1%/年)を100万円購入した場合、満期となる3年後にもらえる利息は以下のとおりです。利息は半年ごとにもらうことができますが、3年後に受け取る総額です。・税引き前の受取利息:3万3000円
・税引き後の受取利息:2万6297円
実際は、受け取った利息から、税率20.315%分の「6703円」が差し引かれます。税率の内訳は、「所得税および復興特別所得税15.315%と住民税5%」です。
参照:固定3年「第187回債」 財務省
ネット銀行の定期預金に100万円預け入れたら、3年後の満期時にもらえる利息はいくら?
2025年12月時点で、ネット銀行の中でも高金利な3年定期預金の一例として、以下のような商品があります。●高金利の定期預金例(2025年12月時点)
【SBJ銀行】
・商品名:開業16周年記念円定期預金優遇キャンペーン「スーパー定期・大口定期」
・金利:年利1.25%(3年)
・預入額:1円以上で上限なし
・対象者:日本に居住している個人の方
・注意点:募集総額が1500億円に達し次第、受付終了
・他の選択肢:3年以外に、20カ月(金利年1.2%)、5年(金利年1.3%)もあり
参照:SBJ銀行「開業16周年記念円定期預金優遇キャンペーン スーパー定期・大口定期」
この定期預金に100万円を預け入れた場合、3年後に受け取れる利息は以下のとおりです。
・税引き前の受取利息:3万7500円
・税引き後の受取利息:2万9882円
こちらも、受け取った利息から、税率20.315%分の「7618円」が差し引かれます。税率の内訳は、「所得税および復興特別所得税15.315%と住民税5%」です。
ここまで、個人向け国債「固定3年」とネット銀行の定期預金について、100万円を預け入れた場合の3年後の税引き後利息を比較してきました。
結果として、SBJ銀行の定期預金の方が「約3500円」多い利息を受け取れます。
もちろん、金融商品を選ぶ際は金利だけでなく、途中解約のしやすさや、利用条件の有無、信頼性なども含めた総合的な判断が必要ですが、「利息額の多さ」を重視するのであれば、ネット銀行の高金利定期預金がやや有利な結果となりました。
ネット銀行の定期預金を賢く活用するには?
今回の利息額の比較では、ネット銀行の定期預金が有利でしたが、申込条件や運用ルールに注意が必要です。特に高金利商品には、個人向け国債にはない制限がある場合が多いため、利用する際は慎重に確認しましょう。ここでは、高金利定期預金を選ぶ際の注意点を4つご紹介します。●利用条件の有無
高金利の定期預金には、「新規で口座を開設した人限定」など、利用できる人が限られていることがあります。
また、「○○万円以上の預け入れが必要」など、一定の金額を預けないと金利が適用されないケースもあります。
一方、個人向け国債は1万円から購入可能で、誰でも同じ条件で利用できる点が安心です。
●募集期間・総額
ネット銀行のキャンペーン金利は、「○月末まで」や「募集総額○億円に達し次第終了」など、期間限定・金額限定のケースが多くあります。
それに対して、個人向け国債は原則、毎月発行されており、いつでも購入が可能です。
●継続時の金利
ネット銀行の定期預金は、満期後に自動的に継続されることがありますが、その際は初回の高金利ではなく、通常金利が適用されるケースが多いです。満期日を把握しておき、次の預け先を探しておきましょう。
なお、個人向け国債も満期後は利払いが終了しますが、自動継続はなく、その時点の金利で再購入するかを自由に選べます。
●途中で解約する場合には制限あり
定期預金は、途中解約が可能ですが、その際は「中途解約利率」が適用され、利息がほとんどつかない場合があります。
さらに、部分的な解約はできず、預けた全額を一括で解約する必要があるケースが多いです。
一方で、個人向け国債は、購入から1年が経過すれば、1万円単位で中途換金が可能です。ただし、「直前2回分の利子(税引き前)×0.79685」が差し引かれる点には注意が必要です。








