昭和26年の10円玉が「32万円」で落札されました。一体なぜなのでしょうか? ※画像:第14回レトロコインオークション Lot:047 現行貨幣 旧10円青銅貨 昭和26年 / 1951 保証機関 PCGS 保証ランク MS63RB
昭和26年の10円玉が32万円で落札
一見誰かが削ったようにも見える一部が欠損した10円玉。こんな10円玉を発見したら、中には両替したり、早く使ってしまいたい人も出てくるでしょう。しかし、2025年12月13日に開催された第14回レトロコインオークションでは、そんな10円玉が「32万円」に大化けしました。うっかり“10円玉”として使用してはいけない、大珍品なのです。一体何が大化けした理由なのか、探っていきましょう。
そもそも昭和26年の10円玉は希少部類に入る
今回落札された10円玉は、昭和26年発行のものです。いわゆる“ギザ十”と呼ばれるものであり、昭和26年はギザ十発行の最初の年に当たります。実はこの昭和26年の10円玉は、発行最初の年ということもありますが、そもそも他の発行年と比べると発行枚数が少ないこともあり、プレミアムがつきやすいのです。未使用品であれば4万円~10万円程度で取引されることもあります。
とはいえ、今回の落札価格は32万円。未使用品だからという理由もあるものの、それ以上にエラー部分の価値が高く評価されたのです。
32万円で落札された「実際の10円玉」(裏面) ※画像:第14回レトロコインオークション Lot:047 現行貨幣 旧10円青銅貨 昭和26年 / 1951 保証機関 PCGS 保証ランク MS63RB
日本のコインでは珍しいエラー
平金破断エラーとは、硬貨の成形や打刻時に発生するもの。本来は平金が正円で成形されるはずが、割れや裂けなど一部欠損した形で成形され、そのまま打刻されることで生じるエラーです。製作精度の高い日本のコインではかなり珍しいエラーだと思われます。その結果、32万円という高額落札になったのです。なお、貨幣を故意に損傷させたり鋳つぶすことは、貨幣損傷等取締法違反となり、1年以下の懲役または20万円以下の罰金が科されることになります。決して同じようなものを作ろうとは思わないでください。エラー品は人による損傷とは異なりますし、意図的に作れるものではありません。鑑定機関の鑑定ではエラーと判定されません。
日ごろからコインを見るクセをつけよう
さすがに平金破断エラーを見つけるのは至難の業だとは思われますが、明らかに欠損している場合には疑ってみましょう。今回の落札品は、昭和26年の10円玉であり未使用レベル(鑑定機関により63評価)であること、平金破断エラーであることの2点が価格が大きく押し上げました。平金破断エラーは無理でも、ギザ十を見つけること自体はそれほど難しいことではありません。現在も流通しているため、未使用品を発見するのは困難なはずですが、流通しているものでも高値になるギザ十があります。
それは昭和26年のほか、昭和32年、昭和33年発行のギザ十です。流通品でも1枚数百円など額面の数十倍の価値となる可能性があります。
今後キャッシュレス決済がさらに進み、そもそもコインを見る機会がなくなっていく可能性もあるので、今のうちに集めておくとさらに高値となるかもしれません。ぜひ日ごろからコインを見るクセもつけておきましょう。
<参考>
第14回レトロコインオークション Lot:047 現行貨幣 旧10円青銅貨 昭和26年 / 1951 保証機関 PCGS 保証ランク MS63RB
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