人間関係

「スウェットパンツ」で仕事、高級ホテルにも!?「おしゃれの基準」が分からない……

部屋着と寝間着の区別がなくなり、「スウェットパンツ」は今や外出着に。通勤着にする人も増えているという。ただし、あくまでも“おしゃれ”であることが条件。「基準が分からない人」は、無難なおしゃれをするしかないのだ。※サムネイル画像:PIXTA

亀山 早苗

亀山 早苗

恋愛 ガイド

どうして男女は愛し合うのか、どうして憎み合うのか。出会わなくていい人と出会ってしまい、うまくいきたい人とうまくいかない……。独身同士の恋愛、結婚、婚外恋愛など、日々、取材を重ねつつ男女関係のことを記事や本に書きつづっている。

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スウェットパンツが「おしゃれ着」に!?(画像:PIXTA)

スウェットパンツが「おしゃれ着」に!?(画像:PIXTA)

かつて、出勤着と部屋着、さらに寝間着と、人は1日に何度も着替えていたように思う。スウェットのような部屋着がワンマイル着となって「近くのコンビニに行くならいいか」となり、部屋着と寝間着の区別がなくなった。そして今ではスウェットを街着、通勤着としている人も増えているのだという。

もちろん、スウェットがおしゃれになったからでもある。ハイブランドのスウェットを着用して飛行機に乗る外国人セレブのニュースもよく目にする。おしゃれでなおかつラクなのは、現代の定番となりつつあるのかもしれない。

スウェットで仕事も

「外部の方に会う予定がなければ、うちの会社はスウェットで仕事をしていても特にとがめられることはありません。社長自身、人に会わないときはパーカーで出社していますしね。TPOを分かっていれば、別にいいんじゃないかなと思います。もちろん社風によるんでしょうけど」

おしゃれなスウェットを着て、そう話してくれたのはミサトさん(30歳)だ。彼女も仕事が終わってから繁華街でデートするときは、スウェットは避けると笑った。

「まあ、でも長くつきあっている彼なので、彼の家の近くでデートなんていうときは、彼の家に私のスウェットを置いてあるので、それを着て居酒屋に行くこともあります。私の母に言わせれば、『いくらおしゃれでも部屋着は部屋着』『それで電車に乗るなんて信じられない』と。今どきのおしゃれですから、別に何を言われても気にしませんが」

もちろん、会社の中でも賛否はある。きちんとしたかっこうでないと仕事の士気が上がらないという声も聞こえてはくるが、「業績さえよければかまわない」と社長自身が言っているそうだ。もちろんTPOをわきまえるのは当然のこととして。

世の中全体がカジュアルに

「外部から、あまりなじみのないお客さんが来るときは、もちろん担当者は着替えます。でもなじみのお客さんで、うちのことを知っている人には、『今日もラフな感じでいいですね。御社に来るとリラックスできます』と言われたこともあります。長いつきあいなので、それは本音だと思います」

出勤はスーツにネクタイという職場マナーもだいぶ崩壊してきている。夏はノージャケット、ノーネクタイが当たり前になり、中にはポロシャツOKの会社もある。革靴が当たり前だったが、今では出勤はスニーカー、会社に着いても履き替えない人も増えてきた。業種や職種によるところは大きいとしても。

世の中全体がカジュアルになっているのは否めない。善し悪しの問題ではないのだろう。

アスレジャーはさすがにアウト?

ファッションの「アスレジャー」も話題になっている。これは「アスレチック(Athletic、運動競技の意)」と「レジャー(leisure、余暇)」 を組み合わせた造語。ヨガやピラティス、ランニングなど運動をするためのファッションで、1980年代のスポーツウェアブームが走りだ。

その後、フリースやストレッチ素材などが一般ファッションに取り入れられるようになって進化してきたが、今はさらに洗練されたスポーツウェアとして街歩きなどにも活用されている。外国人旅行者などが、体にピッタリしたアスレジャーアイテムで歩いているのを、驚きのまなざしで見ている人たちもいるようだ。

「さすがにアスレジャーで出勤は、見ていてもちょっと恥ずかしいですけど、自転車通勤の人たちはそんな感じのファッションですよ。出社後、上だけ普通のTシャツに着替えて仕事をしている人もいます。ピッタリ過ぎないハイセンスのアスレジャーアイテムもたくさん出てきていますから、私もスウェットよりアスレジャーの方がおしゃれかもしれないと思い始めているところです」

分からない人は

ミサトさんはそう言う。ファッションは時代を映す鏡。時代の流れは止められない。あとは公の場でどこまで許されるかという問題だろう。

「冠婚葬祭はさすがに無理でしょうけど、高級ホテルにもスウェットやアスレジャーが現れるでしょうね。もういるかもしれませんが。もちろん、あくまでも“おしゃれ”でなければダメだと思います。私の感覚では。うちの親などは、『スウェットにおけるおしゃれの基準が分からない』と言っていました。そういう人たちは、従来通り、無難なおしゃれを楽しんだ方がいいですよね」

いくつになっても似合えば問題ないと思うとミサトさんは言う。ファッションは時代を映すと同時に、その人の人生を映すものでもあるのかもしれない。
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