個人向け国債・固定3年を「金利1.10%」で100万円購入すると、半年後にもらえる利息はいくら?
個人向け国債・固定3年(金利1.10%/年)を100万円購入した場合の6カ月後の利息を計算してみましょう。【半年後にもらえる利息】
・100万円×1.10%×1/2(半年間であるため)=5500円
実際は、受け取った利息から、税率20.315%分の「1117円」が差し引かれます。税率の内訳は、「所得税および復興特別所得税15.315%と住民税5%」です。
そのため、個人向け国債・固定3年を金利1.10%で100万円購入すると、半年後にもらえる税引き後の利息は「5500円-1117円=4383円」となります。
参照:固定3年「第187回債」 財務省
個人向け国債「固定3年(金利1.10%)」を賢く活用するには?
個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類がありますが、この中で固定3年は、金利面で他のタイプに劣るため(例:12月時点で変動10年は「1.23%」、固定5年が「1.35%」)、やや人気が低めです。しかし、満期が最も短い固定3年には、年末の資金計画において役立つ、独自の活用方法があります。●3年後に使う予定資金の安全な置き場所として適している
個人向け国債(固定3年)の魅力は、数年後に使う予定があるお金を、安全に預けておける点にあります。
また、元本保証があり、現在の普通預金よりも高い利息に設定されているため、「使うまでの待機資金」を減らすことなく守りながら、着実に資産を増やせます。
例えば、各年代で以下のような近いうち(3年以内)に使うことが決まっている資金がある場合に、固定3年が有効です。
【20~50代の現役世代】
住宅購入の頭金、または数年後の子どもの入学・進級に伴う学費など、確実に必要となるまとまった資金。
【60代以降のシニア世代】
老後の住まいに向けたリフォーム費用、車の買い替え資金、あるいは万が一の事態に備えた医療費などの「もしも」の緊急予備費。
●金利変動の影響を受けず、確実に利息を受け取れる
購入した時点の金利が3年間そのまま続くため、将来の市場の金利動向に影響されず、満期までに受け取れる利息が明確です。「3年後に確実にいくら増えるか」が事前に分かるため、資産管理がしやすいのが魅力です。
年末に資産全体を見直すこの時期、もし株式や投資信託などで一時的に増えたお金があるなら、その増えた分(利益)の一部を、元本が減る心配のない安全な場所に移しておくのも大事なこと。
固定3年型は、「3年間は使わないけれども、減らしたくない大切な資金」を、リスクを避け、守りたい場合に力を発揮します。
●投資初心者でも始めやすい「入門編」として
「10年は長い、少しだけでも増やせればいい」と思う方にとって、3年という期間は無理のないスタートラインです。投資の入門にも適しており、まずは少額で始めて仕組みや運用の流れを体験してみましょう。
この機会に始めてみようと思った方は、取扱金融機関が全国に881カ所(2025年11月時点)ありますので、試しに冬のボーナスが入金された金融機関が該当するか、財務省のHPをチェックしてみましょう。
・全ての取扱金融機関一覧 財務省
中途換金はできる?
個人向け国債は、固定3年、変動10年、固定5年の全てにおいて購入から1年間は換金できません。しかし、それ以降は1万円単位で中途換金が可能です。「急な出費ができたらどうしよう」という不安にも対応できます。中途換金するときは、「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」が差し引かれる点に注意しましょう。なお、特例として購入から1年未満の場合でも、以下の場合であれば中途換金が認められます。
・口座名義人が亡くなった場合
相続人の方による中途換金が可能。申請の際には、相続人たる地位を証明する書類などが必要です。
・災害救助法が適用される大規模災害で被害を受けた場合
災害救助法が適用された市区町村に居住されている口座名義人による中途換金が可能。申請の際には、罹災証明書、罹災届出証明書といった公的機関が証明する書類などが必要。
いずれの場合も詳しい手続きについては、口座を開設されている取扱機関へお尋ねください。
参照:個人向け国債の中途換金についてのよくある質問 財務省
まとめ
年末は、1年を振り返りながら「これからの自分」に目を向ける絶好の機会です。旅行や住まいのリフォーム、趣味の充実など、3年後に叶えたいことを思い描けば、お金の使い方にも自然とメリハリが生まれます。その資金を、安全かつ着実に育てる手段として、個人向け国債の「固定3年」はぴったりの選択肢。年の瀬のこのタイミングに、ご自身の将来設計と向き合いながら、無理のない範囲で資産づくりをスタートしてみましょう。








