五千円札は“五千円”としてしか使えないはず。これが一般的ですが、オークションでは実に額面の22倍の価値になったわけです。一体どんな理由で高額落札となったのでしょうか。
カギは番号にある
高値で落札されたカギは、記番号(アルファベットと数字)の「番号」にあります。今回落札された五千円札は「U000001P」、ぴったり1番です。もしATMで出てきたらびっくりする人もいるでしょう。この1番という番号は収集家の間で珍番として重宝され、プレミアムが付くのです。実はもう1つポイントがあります。それは、記番号が茶褐色で、アルファベットが1桁であるということです。樋口一葉の五千円札は2004年11月1日から発行のものと、2014年5月12日から発行の2種類あります。
2004年11月1日から発行のものは記番号が黒色であり、ホログラムが楕円形です。一方、2014年5月12日から発行のものは記番号が茶褐色で、ホログラムが四角形となっています。ホログラムが変更されたのは、目の不自由な人が識別しやすくするためです。
今回落札されたものは、2014年5月から発行されたものであり、通常は後から発行されたものの方が価格は低くなる傾向があります。とはいえ、アルファベットが1桁(落札されたものはU)で、しかも番号が1番となるケースはそう多くないため、高額落札となりました。アルファベットが2桁(例:UA)となると価格はここまで上がらなかったでしょう。
なお、未使用であることが、高額落札の前提条件となります。折れ曲がったりすると価値は一気に下がってしまいます。
ATMから出てくることも十分あり得る
もし番号1番の紙幣が入手できたら、飾っておきたい、保管しておきたいと思う人も多いことでしょう。それでは探せる可能性はあるのでしょうか。「どうせ銀行員が見つけて両替しているに違いない」と思う人もいるかもしれませんが、筆者は実際にATMから偶然出てきたというケースも聞いたことがありますし、お釣りでもらった千円札が1番だったというケースも聞いたことがあります。
今なら、新紙幣であれば、ATMや両替機から偶然1番が出てくることも十分あり得るでしょう。お年玉の用意で両替などをする際にはぜひ番号もチェックしてみてください。もし珍番が出てきたら、ご自身へのお年玉となるかもしれませんね。
<参考>
第37回銀座コインオークション Lot番号:497 樋口一葉5000円 茶番 1桁 U000001P 平成16年~(2004~) | UNC
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